健康管理

南北に細長い日本列島。この小さな島国には四季があり、地域や地方によって自然環境が大きく違います。そのため各地方に生息する植物にもかなりの違いがみられます。それと同じように、花粉症にも地域性や地域差があります。都道府県別の有症率調査や疫学調査によると、花粉の飛散量が多い地域ほど発症率が高いという結果が出ています。
北海道にはスギとヒノキがほとんどありません。その代わり、イネ科の植物やシラカバ(シラカンバ)による花粉症が多く報告されています。沖縄にはスギが自生していない上、花粉症改善効果の高い食品が食卓に良く並ぶため、花粉症とは無縁の地とすら言われています。最近は、北海道や沖縄に花粉を避けるための短~中期の旅行に出かける人も増えていて、俗に「花粉疎開」と呼ばれています。また、北海道や沖縄に移住する人も出てきています。このように、生活の場所を変え症状の改善を図ることを医学的には「転地療養」といい、心身にプラスの影響を与え症状緩和に非常に効果的だといわれています。
一方、花粉症におけるワースト地域は関東全域です。関東と東海地方はスギやヒノキの花粉飛散量が多く、その中でも東京を中心とする関東圏は群を抜いています。ブタクサの花粉もスギと同様に関東を中心に多く飛散するため、関東地方は日本の中で最も花粉症発症率が高い地域と言えます。
その他の地域はどうでしょうか。中国地方と近畿地方、特に六甲山周辺においては、オオバヤシャブシの花粉が多く飛散しています。六甲山周辺で大量に植樹されたオオバヤシャブシの花粉は社会問題にもなりました。中国・四国地方はネズの花粉も多く飛散します。また、稲作が盛んな北陸地域では、他の地域に比べハンノキによる花粉症が多く報告されています。ほかに、東北地方を中心に飛散するのはカモガヤの花粉、中部地方はヨモギ、九州地方はカラムシなどが多く飛散します。
花粉症の対策は、住んでいる地域に飛ぶ花粉の種類や状況にあわせて行わなくてはなりません。ハンノキ、北海道に見られるシラカバ、中国・近畿地方に多いヤシャブシやオオバヤシャブシなどは口腔アレルギー症候群を起こしやすいやすいので、一般的な花粉症対策に加え、口腔アレルギーに対する策も必要です。予防も症状緩和も、それぞれの地域に合う方法で取り組み、少しでも快適に過ごせる工夫をしていきましょう。
| 地域 | 有症率 | |
|---|---|---|
| 1位 | 東海地方 | 28.7% |
| 2位 | 南関東 | 23.6% |
| 3位 | 北関東 | 21.0% |
| 4位 | 近畿 | 20.3% |
| 5位 | 北陸 | 17.4% |
| 6位 | 四国 | 16.9% |
| 7位 | 中国 | 16.4% |
| 8位 | 甲信越 | 16.1% |
花粉症に関する情報を伝える天気予報を見ていると、様々な用語が出てきますよね。そんな用語をまとめてみました。あなたはどのくらい知っていますか?
「花粉飛散開始日」とは、24時間で1cm×1cm当たりスギ花粉が1個以上、連続して観測された初日を指します。しかし、実際には花粉飛散開始日よりも前に少量の花粉飛散は始まっています。そのため、敏感な方の場合、花粉飛散開始日よりも前に症状が現れるケースもあります。 例年、この日以降一斉に花粉が飛び始めると言われています。2月初旬から3月中旬にかけて、気温の高い地方から順に飛散開始日を向かえます。
「花粉飛散開始日」は、1月1日からの最高気温の積算値で予測できると言われています。これが「花粉温度計」で、関東以西ではその数値は350~400なのだとか。製薬メーカーのいくつかのサイトで、全国各地域のこの数値を調べることができます。
毎年1月1日から測定を開始、プレパラート(1.8cm×1.8cm)上に1個でもスギ花粉が見つかれば、その日が花粉初観測日になります。通常、スギ花粉は正月を過ぎた頃から全国各地で徐々に増えます。花粉初観測日というのは、あくまでもスギの花粉を確認した日というものです。花粉初観測日の頃には、花粉症に悩まされる人の数はまだ少なく、花粉はそう多く飛び交ってはいません。この日を予防・対策開始の日とすると良いかもしれませんね。
各地の自治体や医師会、病院などが発表するものが「花粉飛散予測」です。飛散数の測定や飛散予測は、医師や個人、民間団体などがボランティアで行っている場合が多いのが実情です。花粉症が国民病とまで言われている現状を考えると、今後は公的機関による支援・測定システムの構築が期待されます。
花粉飛散予測は以下のような様々な情報を収集、解析して出されています。