埼玉県さいたま市にあるはやま眼科クリニックに通う古市善朗さん57歳は、黄斑変性症と呼ばれる眼の病気に悩まされています。黄斑変性症は、今日本人にも増えている病気で、網膜の中央にある、光の受容体の黄斑と呼ばれる部分がある原因によって変性し、視力に障害を与える病気です。黄斑変性症の発症原因は紫外線やストレスなどの刺激により、眼球内に活性酸素が発生する為と言われていますが、根本的な治療法の確立には至っていません。近年、早期発見、早期治療により進行を遅らせることが可能となりましたが、ヨーロッパやアメリカでは高齢者の失明原因の第1位とされ、国内でも発症者の数が急増しているのが現状で、眼科医が抱える最重要疾患の一つとされています。
眼の健康で今注目されている、黄色い色素成分ルテイン。眼の黄斑部を形成しているカロチノイドの一種です。現在はマリーゴールドの花からの抽出技術が確立され、数多くのサプリメントが市場に広がっています。また、ルテインは人の体内に存在するフリー体と呼ばれ、アメリカのFDAが認定した安全な食品でもあります。
さらにルテインには、黄斑部を形成するカロチノイドの一種ゼアキサンチンも含まれ、眼の健康を保ち病気を未然に防ぐためのサプリメントの原料として期待されています。
眼病患者が増える中、注目されるルテインの効果効能
はやま眼科クリニックに通う、眼の疾患や不快な症状で悩む患者の一人である、毎熊さんは20歳ぐらいから目に違和感があったといいます。自分の書いている文字が見えにくくなると言った症状に悩まされ、診断を受けた結果、仕事による眼精疲労と診断されたそうです。一方、57歳の古市さんは、右目と左目の見え方のばらつきや物がゆがんで見えることがきになり診断を受け、結果、黄斑変性症と診断されました。
高齢者に多い、白内障や緑内障のほかに、今急増しているのが黄斑変性症と呼ばれる病気です。アメリカでは65歳以上の高齢者の失明原因の第1位です。日本でも黄斑変性症の患者数は40万人を超えて、失明原因の第3位となっています。近年、高齢者だけでなく、若い人の間でも診られるようになってきたといいます。
黄斑は網膜の中心にある直径5ミリほどの部分で、光を識別する細胞が何百万個も存在し映像を映す大切な役割をはたしています。しかし、刺激の強い光や、ストレス、飲酒などにより、活性酸素が発生すると、眼球内の細胞が破壊され、眼の病気を起こしやすくなるのだといいます。黄斑変性症は、活性酸素で黄斑部の細胞が酸化し破壊され、視野が部分的に欠けたり、ぼやけたりしはじめ、最終的には失明に至る病気といわれています。
黄斑変性症のチェック方法
片方の目を手で覆い、中央の点を見つめてください。メガネを普段使っている人は、眼鏡を掛けて行います。この時、すべての船がまっすぐ見えてなければいけません。中心が歪んでいたり、線が波打ったり、欠けたりする場合、黄斑変性症の可能性があります。もう片方の目でも行います。専門医での検査までとはいきませんが、自宅で簡単にできるため、ある程度の目安になります。

ルテインなどのカロチノイド不足は視力に影響
黄斑変性症を防ぐ最も大切なことは、眼のケアをして食事に気を配る事だと言います。眼に刺激を与える、コンピューターやテレビなどの青い光を遮断することや、眼にある黄色い色素を増やし、抗酸化力をつけ、細胞を守ることが黄斑変性症の予防法とされています。眼の健康に効果のある黄色い色素とは、野菜や果物に含まれるルテインという成分です。緑黄色野菜におおくふくまれ、特にホウレンソウに多く含まれています。
眼に含まれるルテインなどのカロチノイド量を調べてみると、正常者に比べて黄斑変性症(AMD)の患者は、明らかに減少していることがわかります。このことから、黄斑変性症を予防し眼の健康を保つには、ほうれん草などの緑黄色野菜に含まれる、ルテイン、カロチノイドの接種が非常に重要だと言えます。
ルテインは眼球の網膜に含まれますが、最近の研究で、眼の黄斑部という部分にも、カロチノイドの一種であるゼアキサンチンとよばれる成分が含まれていることがわかりました。眼のレンズの働きをする水晶体と光の受容体である黄斑部は、ルテインとゼアキサンチンと言う2つのカロチノイドで形成されています。カロチノイド不足は視力に影響されるとされ、今多くの研究者が2つの成分に注目しているのです。

マリーゴールドから抽出される高品質のルテイン
ルテインの力を引き出すために、近年注目されてきたのが、春から秋にかけて花を咲かせるマリーゴールドです。独特の強い香りと、鮮やかな黄色やオレンジ色の花びらが特徴です。この花から抽出される色素に豊富なルテインが含まれていたのです。日本では観賞用として親しまれている花、マリーゴールド。聖母マリアの黄金と言う意味からその名が付けられたと言う説もあるように、その土地その土地の宗教や文化にも深くかかわってきたのです。インドでは生命や健康の象徴とされ、寺院の祭壇や神殿に飾る花として、大切にされてきました。原産地メキシコからフランスやアフリカを経由して世界中に広がったマリーゴールドは、今や数多くの品種が存在し、観賞用や食用として多くの地域で栽培されています。
メキシコのグアダラハラ州にではマリーゴールドの栽培が盛んに行われています。農場の広さは4000ヘクタールあり、毎年6月末から7月末の4週間で20トンのマリーゴールドの花を出荷しています。この地域はマリーゴールドの栽培に非常に適した環境で、農家では、毎年品種改良を重ね、生産性や品質を改善しているそうです。ここで栽培されたマリーゴールドから、眼の病気、黄斑変性症に作用することが期待される成分、ルテインが抽出されるのです。
日本でも認知度が高まるルテインのサプリメント
黄斑変性症など眼の病気に対して大きな関心を示すアメリカでは、医療費の高騰、代替医療への期待、健康ブーム、国家も病気の予防を進める為の政策や法の整備に取り組んだことで、サプリメントが普及しました。マリーゴールドから抽出したルテインを使ったサプリメントも現在数多く存在しています。日本でもルテインに対する認知度は高まり、その市場も年々拡大しています。
最近目の疲れが気になると言う女性が2粒のルテインを接種して、30分後の眼の状態を比較しました。その結果、不安定だった眼の焦点動作に改善が見られました。30分と言うわずかな時間でこのような結果が見られることから、ルテインの眼に対する効果は大きく期待されています。
黄斑変性症に詳しいオーストリアのミハイルヒューティンガー博士によると、加齢性黄斑変性症は、白人の高齢者にはもう元には戻らない視力の低下および失明の主な原因の一つだそうです。ある分析によると、アメリカ在住者のうちおよそ122万人が新生血管黄斑変性症で、97万人が少なくとも片目に網膜萎縮があり、360万人が両目に前兆がみられました。
規格基準の厳しいマリーゴールド由来のルテイン
ルテイン先進国と言えるアメリカで、FDA(アメリカ食品医薬品局)が安全な食品として認めるルテイン製品を製造する工場が東京板橋にあります。この工場には、食品衛生管理者と言う責任者が配置されています。食品添加物を扱う工場には食品衛生管理者が必ず必要だと決められているそうです。マリーゴールド由来のルテインは規格基準があるため、営業許可書が必要となり、FDAの認定を受けた工場のみがマリーゴールドから抽出したルテインを扱うことができます。ルテインは粒子を細かくすることにより、体内への吸収が高まるため、工場ではその研究が行われています。
新たなアイケア素材として注目されるルテイン
マリーゴールドの花から抽出された、新しいアイケア素材のルテインの効果効能にはゼアキサンチンと呼ばれる物質が関与していることが最近の研究により明らかになりました。ルテインと同じく、カロチノイドの一種として認識されているゼアキサンチンは、眼の黄斑部に多く含まれています。健康な人の場合、黄斑に蓄積されるルテインとゼアキサンチンの比率はおよそ2対1とされていますが、吸収性が2倍のゼアキサンチンと、ルテインを効率よく摂取していくには、血液中のルテインとゼアキサンチンの比率を4対1となるよう、ルテイン8に対し、ゼアキサンチン1の割合で摂取していくことが望ましいという考え方が提案されています。
黄斑変性症予備軍と呼ばれた古市さんが3週間ルテインを接種した結果、黄斑変性症のためにできた、黄斑部の下にある色素上皮層にある炎症が小さくなりました。この結果から、ルテインには黄斑変性症改善の治療に役立つ効果も期待されています。マリーゴールドから抽出した、ルテインには、眼の健康に結び付く力があることが、研究により明らかになりつつあります。高齢化社会を生き抜くために、ルテインは必須の成分なのかも知れません。







