健康管理

「豆が腐る」と書いて豆腐、納豆は「腐った食べ物」。この2つの言葉ってなんだかおかしくない?・・・なんて思ったことはありませんか豆腐の「腐」という文字が「くさる」と理解されているため、「腐っているのは、豆腐ではなく納豆のほうでは?」という疑問が湧くわけですが、本当のところはどういう謂れがあるのでしょう?
豆腐は中国発祥の食べ物で、中国でも同じ漢字が使われます。古くから中国では「腐」という漢字に「くさる」という意味はなく、「ブヨブヨしたもの」(コロイド状)という意味があります。例えばヨーグルトのことを「乳腐」(ルウフウ)と書いたりします。これは「乳が腐ったもの」ということではなく、「乳がブヨブヨになったもの」という意味からきているのです。これと同じに、「豆が腐ったから=豆腐」なのではなく、「豆を加工してブヨブヨしたもの=豆腐」なのです。
日本に豆腐が伝わったのは奈良時代頃と言われていて、当時の記録には「唐符」の記述が残されています。そして、「豆腐」という言葉になったのは、鎌倉時代からです。
一方の「納豆」という言葉は、お寺と関係があります。納豆はその昔、寺院などでよく食べられていました。その寺院で僧侶が出納事務を行う場所を「納所(なっしょ)」といって、ここで作られ食される豆料理だったため「納所の豆」というところから「納豆」と呼ばれるようになったようです。
納豆は腐っているのではなく、「発酵」しています。これはヨーグルトや味噌、日本酒なども同じです。腐敗と発酵の違いは科学的には同じメカニズムなのですが、「人間にとって有益かどうか」という点で区別されています。
縄文時代の終わり頃には、既に納豆のような食べ物があったという説もありますが、詳しいことはよく分かっていません。糸引き納豆の起源は明らかではありませんが、1400年代の室町時代には、塩納豆とともに糸引き納豆も既に作られていたといわれています。明治以降、現在よく目にする糸引き納豆が広く一般に知られ食べられるようになりました。
関東圏では好んで食されている納豆ですが、西日本ではどうも不人気。これにはちょっとした理由があります。
納豆は、煮豆に納豆菌をつけ、それをわらに包んで適度に保温し発酵させて出来上がります。こうした作業は、関東以北の雪深い米作地帯で多く行われていました。寒さが厳しい地方の人々にとって、納豆は魚・野菜などに代わる重要なタンパク源となっていたんですね。
血栓症などに使う薬剤に「ワーファリン」という薬があります。この薬と納豆は相性があまりよくありません。ワーファリンには血液を固まりにくくする抗凝血作用がありますが、納豆に含まれるビタミンKがこの作用を邪魔してしまうので、薬の効果が弱まってしまうのです。
ビタミンKを多く含む食品は、納豆の他にクロレラや青汁などがあります。ワーファリンを服用されている方はこれらの食品に十分気をつけてください。
納豆に含まれるナットウキナーゼという酵素には血栓(血の固まり)を溶かす働きがあるため、血栓を原因とする病気に有効だと言われています。このナットウキナーゼは、体内に取り込んでから約10時間~12時間ほど効果が持続します。
脳梗塞など血栓が原因で起こる病気の発作は、睡眠から6時間から8時間後に起こりやすいと言われているので、その防止のためには就寝前の食事=夕食時に摂るのが効果的といえます。
納豆にまつわる面白い話やデータを集めてみました。これでアナタも納豆博士?!
2005年に全国納豆協同組合連合会が行った男女合わせて2010名を対象にした「納豆に関するアンケート」によると、全体の6.9%(139人)が納豆を全く食べないと答えています。
その理由の中で最も多かったのが「「臭いが嫌い(81.3%)」という意見でした。さて、納豆のニオイのモトって何なんでしょう?
最近の研究の結果、大豆と納豆菌が出会いアミノ酸が酵素反応を起こした際、「イソ吉草酸」などのように発酵時に腐ったチーズのようなニオイを発生する「低級分岐脂肪酸」が発生し、あの納豆のニオイが出来上がることが分かりました。この納豆臭の原因物質である「イソ吉草酸」、日本では「悪臭防止法」の中に罰則が設けられているほど強烈なもの。
しかし、納豆と同じ低級分岐脂肪酸を原因とするニオイを好む人々もいます。それはイヌイット(エスキモー)の人々です。発酵したアザラシの内臓を食べる習慣があるイヌイットたちにとって、低級分岐脂肪酸を原因とするニオイは食欲をそそる香りなんだとか。国が変わるとニオイの好みも変わるんですねー。
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