驚愕!日本のペットフード業界の実態
ペット特集
驚愕! 日本のペットフード業界の実態
寺井:ここ5年くらいでペットのナチュラルブーム、健康ブームが一気に過熱した感じですが、それについてどう思われますか?

塩谷先生:オーナーさんがペットの健康に対して敏感になってきたというのは感じますね。
ペットの健康ブームというのは、すべて私たち人間の健康ブームが発端です。まずは自分の健康から、そして次に愛するペットの健康をという流れは実に自然なことです。
栄養バランスが悪く、添加物の多い食事を摂取し続ければ、私たちは病気になってしまいます。それは同じ哺乳類である犬や猫も同じです。
そこで脚光を浴びることになったのが「プレミアムフード」です。
「プレミアムフード」というのは、副産物を使わない無添加のフード、簡単に言えばペットの体に良いフードのことです。ペットフードの問題が叩かれ書籍が発売されたこともあり、ペットに対して意識の高いオーナーさんが好んで購入されているようです。
しかし、そんなオーナーさんの気持ちを巧みに利用した便乗商法が増えているのも事実で、オーナーさんの心に付け入るようなうたい文句を掲げるフードやサプリメントが増えました。悪質なメーカーになると、自社製品以外のものは全て悪だとまで言っています。これは一種の洗脳です。
その洗脳が解けない限り、実際にペットの体調が悪くなったとしても、オーナーさんは悪質なメーカーのフードやサプリメントを与え続け、獣医師の話に耳を傾けようとはしてくれません。
寺井:日本にはペットフードの基準というのはないのでしょうか?

塩谷先生:あるにはありますが、日本のペットフード業界の基準というのはかなり大雑把で、品質や安全性を規制するための法律は殆ど存在していません。表示義務がないため原料の全てを書く必要はなく、都合が良いところだけを書けばいいようになっています。
また、原料や成分の素性に関しても「企業秘密」ということにすれば書かずに済みます。言ってしまえば、やりたい放題の市場です。
アメリカにはAAFCO(アアフコ:米国飼料検査官協会)という機関があります。この機関では、人間の食品に対する基準と同レベルでペットフードの基準を設け、非常に厳しい審査・試験を実施しています。
AAFCOの設けた基準はグローバルスタンダードになってはいますが、日本のペットフード業界の場合はAAFCOの基準をガイドラインとして反映しているに過ぎません。
ペットフード選びのコツ

寺井:オーナーさんやペットのことを考えて、誠実なフード製造を行っているメーカーもありますよね?
塩谷先生:もちろんです。ただ、良心的なメーカーが作っているフードだからといって、必ずしも良いものだとは限りません。過信は禁物です。
たとえAAFCOの基準をクリアしたフードであっても、使用感が悪ければペットに合ったフードだとは言えませんし、原料が非常に素晴らしいフードだから良いというものでもありません。良いフードかどうか、ペットに合ったフードかどうかは、ペットに与えてみなくては分かりません。
最終的には、オーナーさん自らが判断するということになります。 本当にその個体に合ったフードであれば、みるみるうちに変化が出てきます。毛ヅヤ・毛ぶきが良くなり便臭や体臭が減ってきますし、目やにも減ります。
また、フードを変えただけで、頻繁だった下痢が止まったり、皮膚炎が治ったりすることもあります。こういった症状に少しでも思い当たる節があれば、思い切ってフードを変えてみるのもひとつの方法です。
寺井:フードを頻繁に変えるのは良くないと主張している方もいらっしゃいますが、それについてはいかがでしょうか?
塩谷先生:犬や猫は、消化器官の適応能力が人間ほど高くありません。そのため、これまでのフードからナチュラルフードに変えると下痢気味になるなど、全体的に状態が悪くなったように見えることがあります。だからといって、与え始めて3日程度で変えてしまうのはよくありません。
これはフードに含まれる繊維量の違いによるもので、一時的な現象です。フードを変えたら、少なくとも3週間から1ヶ月は継続して与え、様子を見て欲しいですね。
寺井:では、先生がフードを選ばれる際の基準を教えていただけますか?

塩谷先生:嗜好性を高めるための添加物が入っていないもので、ペットの個体やライフステージに合ったものを選び、自分の判断を信じて与えてみるようにしています。そして結果が良かったら続けて与える、ということにしています。
世の中に出回るペットフードが全て安全で高品質なものであれば、オーナーさんは悩まずに済みますが、現実は玉石混淆です。そのため、疑心暗鬼になってしまいます。
しかし、私はある程度の防腐剤などの添加物は仕方がないと考えています。「あれもダメ」「これもダメ」じゃ、何も与えられなくなってしまいます。それではペットもオーナーさんも不幸ですからね。
何を選んでいいか分からない場合には、かかりつけの獣医師に相談したり、フードを使用している方の感想を聞くと良いでしょうね。
ナチュラルフードの場合、1kgあたり定価1200円以上というのが金額的規準と言えますが、これも目安に過ぎません。何度も言うようですが、やはり最後はオーナーさんの目でしっかりと見極めることが肝心です。 オーナーさんには、自分の健康と同じくらいペットの健康にも目を向けて欲しいですし、自分の食べ物と同じようにペットフードのことを真剣に考えて欲しいですね。
プロフィール

塩谷 朋子 先生
東京医科歯科大学医学部保健衛生学科専攻後、麻布大学獣医学科に転学、獣医師としてどうぶつ病院ルルで勤務中。
どうぶつ病院ルル
http://www.ruruanimal.com/
〒150-0002渋谷区渋谷2-22-14新免ビル2F
Tel03-3407-3773
診療科目:獣医内科、獣医皮膚科、獣医眼科、獣医産科、獣医アレルギー科、獣医外科、獣医腫瘍科、獣医泌尿器科、獣医循環器科、獣医歯科
診療対象動物:犬・猫・ハムスター・うさぎ・鳥
診療時間:11:00~22:00
休診日:月曜日
※日曜日は17:00まで(17:00以降は予約制とさせていただきます)
■オンラインショップのお知らせ■
動物病院ルルでは、あまたあるナチュラルフードの中から、経済的に比較的継続しやすいもの、塩谷先生自身が使ってみて使用感が良かったものだけを厳選して販売しています。
オンラインショッピングはこちらから⇒ http://ruru.shop-pro.jp/
プロフィール

寺井まりこ
立教大学コミュニティ福祉学部卒業後、大学院では臨床心理学を学ぶ。その後、臨床心理士となり教育現場でのスクールカウンセラーとしての活動や、EAPにおける産業カウンセリングに従事。メディカルサプリメント指導士・食育指導士の資格を取得するなど、栄養指導の知識も有し、心身両面からのメンタルサポートをモットーに活動中。
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