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腎臓 -ペットの高齢化により見られる病気-

教えてドクター|ペットの健康

腎臓 -ペットの高齢化により見られる病気-

ものすごく喉が渇くみたい

飲水量が増加する病気

動物病院で、よく耳にする訴えの1つが「最近ものすごく水を飲む」というものです。
飲水量の増加には、生理的原因と病的原因があり、前者は、環境温度が高すぎる、激しい運動をする、興奮する、空腹時などが挙げられます。後者には、様々病気の可能性が上げられますが、「水を良く飲む」という訴えで犬猫が来院した場合、獣医師がまっさきに疑うのは、糖尿病、腎障害(急性・慢性腎不全、ネフローゼ症候群、肝障害(急性肝炎、慢性活動性肝炎、感染維症、肝リピドーシスなど))であり、次に内分泌疾患(クッシング症候群、甲状腺機能亢進症、アジソン病、尿崩症など)と続きます。また、激しいアレルギー所見を呈する子の飲水量が増加し、症状が落ち着くと飲水量が減るケースもあります。

今回は、特に高齢の猫で見つかることの多い、腎臓病について、お話いたします。

飲水量が増加する病気

 
血液検査で見つかる頃には、残存機能は33%に!!
液検査で見つかる頃には、残存機能は33%に!

水をよく飲むから、食べられないから、やせてきたから、などの主訴で行うスクリーニング、もしくは、ワクチン時に行う健康診断の血液検査で、腎臓の機能の一時的な指標はBUN(ビーユーエヌ:たんぱく質の老廃物)Cre(クレアチニン:筋肉の代謝産物)という項目です。

なぜたんぱく質のゴミや筋肉の代謝産物が腎臓の指標なのかというと、これら血液中にあるBUN、Creは、腎臓という生体フィルターで正常に機能していれば、血液中にある一定は出てこないはずの物質なのです。つまり、血液中のこれらの濃度を測定し、過剰に増えていないかを測定することで、間接的に腎臓の状態を知ることが出来るのです。

一般的に、薬物などによる一過性の上昇をを除けば、この値が正常値を超える場合は、値としてはそれほど高くなくても、すでに機能できる腎臓の細胞は3割程度しか残っていません。正常な状態では、何億とある腎臓の細胞は交代で休みながら、血液を流れる老廃物を濾過し、身体に毒になる成分を尿と一緒に対外に排出していますが、腎臓の細胞の一部が障害を受けてしまうと、残りの働ける細胞は、休み無く働きっぱなしの状態になってしまいます。

 
少しでも腎臓を長持ちさせるためにできるこ
少しでも腎臓を長持ちさせるためにできるこ

腎臓の機能が衰えていることが判明したら、腎臓の障害は基本的には治りませんので、残った腎臓のの細胞を大事に長持ちさせるような治療、日常的なケアを生涯続けていく必要があります。

人間で言うところの透析、生体腎移植のような治療法は動物では主流ではありません。動物では、主に皮下点滴という、短時間で行える点滴によって血液を薄めたり、水分を再吸収できなくなったことによる脱水を改善したり、薬やサプリメントで血圧を下げ、一度に腎臓が濾過しなければならない量を減らしたり、腎機能が下がることによって体内に残ってしまった毒や老廃物を吸着する薬を毎日飲んだりして、足りなくなった腎臓の機能を補助してやることで、腎臓の細胞を温存する治療が主体となります。

また、腎臓に負担のかかる代謝産物や老廃物が出にくくなるように設計された処方薬を常食とすることで、腎不全が判明してからの余命がのびることが分かっています。また、嗜好性を高める添加物を使用しない食餌や太らせない工夫などの血圧コントロールの習慣は、腎臓病だけではない、他の病気の予防にもつながります。

腎不全は、不治の病ではありますが、以上のような日常的な治療、気遣いで発見からかなりの延命ができます。

 
一番の治療は「早期発見」、「予防」

これも腎臓病に限った話ではありませんが、病気の一番の治療はどんな名薬や優れた技術よりも「早期発見」です。病気は、始まってから自覚症状が出るまでに若干のタイムラグが生じるものですが、動物の場合は言葉が話せませんので、そこからさらに飼い主さんが気付くまで、という2段階のタイムラグが生じます。
よって、飼主さんが気付いた時には病気がかなり進行しているケースが少なくありません。

なんでもないように見えていても、シニア世代(大体6歳~7歳以上に)入ったら、血液検査、尿検査、レントゲンなどの健康診断を行うことは、病気の早期発見に役立ちます。

動物は人間よりも加齢の速度が速く、大人の犬猫は人間に換算すると1年間に4.5~6年分、生理的な老化が起こります。年に一度の追加ワクチン時など、覚えやすい日に毎年健康診断を受ける習慣を付けることをお勧めいたします。

腎臓病は予防できる病気です





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