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ペットの健康に関心の高い方が増えてきました。
今回は、日本サプリメント評議会評議委員でもある獣医師の塩谷朋子先生に、ペットフードについてのお話を伺いました。

今回は、「新ペットフードにご用心!」の著者である押川亮一氏と、押川氏の意思を継承し、ペットフードの通販専門店を先月オープンした白澤明子氏を迎え、ペットフードについてのお話を伺いました。

痴呆 -ペットの高齢化により見られる病気-

ひょっとしてうちの子ボケちゃった?

犬猫にも「痴呆症」があります

現場に居ると時々、「犬猫にも痴呆症があるのか」といった質問を受けます。いままで出来ていた排泄習慣が守れなくなった、夜鳴きをするようになった、性格が変わった、など飼い主さん側が気付く老齢性変化は、たくさんあります。黒かった毛が白髪になったり、歯が抜けたり、毛が薄くなるなど、人間と同様犬猫も「年寄り」様に変化するさまもまた、飼っている者にとっては愛おしいものです。

しかし、ときに、失った機能によって、人間との共生が困難になり(集合住宅での夜鳴きや、マンション内での徘徊、不適切な排泄など)、安楽死を考えるようなケースさえ、あります。

ペットの痴呆は、獣医学的には認知障害症候群(CDS)と呼びます。犬ではヒトの痴呆でよく知られているアルツハイマー型ではなく、脳血管性痴呆が多いといわれています。

犬猫にも「痴呆症」があります

    こんな症状はありませんか。
  • 夜起きているようになる。夜鳴きする。
  • 同じ場所でくるくる回る。
  • 今まで入っていたコマンドに従わなくなる、あるいは守れていた規律を守れなくなる。(排泄、服従など)
  • 過食、または拒食(食べることを忘れて眠るような行動など)が見られる。
  • 頭を上げなくなる。
  • 飼い主や家族を識別、認識できていないようだ。
「痴呆」と決め付ける前に
「痴呆」と決め付ける前に

夜鳴きや、不適切な排泄など、一緒に生活するにあたって人間に不都合なサインは、わかりやすく、また困るので動物病院に連れてこられるケースの大半を占めます。

しかし、「ボケた、なんとかしてくれ」といって連れ込まれる症例のうち、実は「痴呆」ではない確率は少なくありません。一通りの一般検査を行ってみると、内臓が悪かったり、関節が変形していたり、なんらかの「疾患」が基礎にあり機能が衰えているため、一見「ボケている」ように見える行動になっているだけの場合も、あるのです。

    痴呆と間違えやすい疾病
  • 変形性関節症
  • ヘルニア
  • 神経疾患
  • 腎不全
  • 肝障害
  • などなど

痴呆でもあきらめないで

前述のような基礎疾患の治療をしても改善せず、やはりCDSの診断がついてしまった場合でも、「痴呆には治療がないんでしょ」と悲観的になる必要はありません。前述のとおり、犬の痴呆は脳血管性のものが多く、脳血管の拡張剤や抗血栓剤など、薬物による一定の効果が期待できます。

また、CDSそのものの治療ではなく、遠吠えや徘徊などの、問題行動の減退ないし消失を目的として、鎮静剤や催眠剤の使用の適用ケースもあります。完全治癒までは難しくても、人間との共生を維持できる段階まで、獣医療が手助けできる可能性は、あるのです。

歳を取れば、介護の手が必要になったり、医療費がかさんだりして家族の負担は増えますが、それまで愛犬、愛猫と生きてきた大切な時間を、簡単に手放さず、最後まで全うしてほしいと、願います。

痴呆でもあきらめないで

痴呆は予防できる病気です

脳血管性の痴呆には、高血圧、糖尿病、動脈硬化などハイリスクとなる要因がいくつかあります。

最近、獣医療でも脂質代謝の検査が可能になりました。10歳を超えたら、血液一般検査に加え、コレステロールや血糖の定期的なモニタリングをすることによって、脳血管障害が起こる前に、予防的治療を始めることが可能です。

また、痴呆になる個体は血中脂肪酸濃度が低いことがわかっており、不飽和脂肪酸を含むサプリメントなどの摂取や、それらを豊富に含む魚類を原料とした処方食の摂取なども痴呆の予防に効果的であると考えられます。

薬物や食事などの摂取だけでなく、脳神経に一定の刺激を与え続けることも大切です。日ごろから頻繁に声をかけ、散歩に出て視覚的な刺激を与え、触ってあげて五感を衰えさせない生活の工夫をしましょう。

痴呆は予防できる病気です