ペットの健康
ペットは家族の一員です。健康で長生きしてもらうために飼い主として何が出来るでしょうか
ペットは家族の一員です。健康で長生きしてもらうために飼い主として何が出来るでしょうか
これまで日本では、基本的に猫なら放し飼いで時々家に戻る、犬なら軒先の犬小屋につながれていたものが、それぞれ室内で人間と一緒に暮らすようになったこと、予防獣医療の発展で、ペットの寿命は格段に延びました。一方、人間とライフスタイルが似るようになったことで出現した生活習慣病や、高齢化に伴う疾病が、飛躍的に増えました。
糖尿病、高血圧、肝臓病や腎臓病など、いわゆる生活習慣病、癌を筆頭とするさまざまな腫瘍、関節症や痴呆、人間に見られるこれらの病気すべてに、同じ哺乳類であるペットも罹ります。また、子宮蓄膿症や歯根膿瘍など、人間には見られない、また稀にしか起こらない重大な病気もあります。
手に乗るような小さなペットならまだしも、中型犬以上のサイズの子が、寝たきりや半身麻痺などになってしまった場合、病犬、老犬の介護は、想像以上に大きな負担になります。また、予想も覚悟もしていなかったペットの突然死から受ける打撃は、すさまじいものです。事故などのやむを得ないケースももちろんありますが、せっかくのペットとの暮らしの最後が壮絶な闘病介護、という事態になるべくならないよう、また、愛するペットに一日でも健やかに生きてもらうため、オーナとして出来ることはたくさんあります。
老齢化に伴い、もっとも顕著に衰えるものの一つが、軟骨です。
軟骨を構成する要素は、老齢化により変性し始めるほか、材料の生産能力が衰えてきます。軟骨の脆弱化は、肥満、運動習慣など複数の要因と重なり、徐々に徐々に歩行機能を障害しながら、昨日まで元気だったのに、今朝いきなり起きられなくなった、という訴えで見つかることの多い、「変形性関節症」、「椎間板ヘルニア」、「頚椎ヘルニア」、「脱臼」などの深刻な疾病につながっていきます。
動物は物を言えませんから、少しずつ痛みを感じていても、「最近ひざが痛むのよね」などと飼い主さんに訴えることはありません。その代わり、徐々に散歩をいやがるようになったり、ベッドから飛び降りなくなったり(本当は、小さいころから高いところから飛び降りないようしつけておいたほうが関節のためには良いです)、サインはありますが、なかなかわかりにくいこともあります。「うちの子太っているから怠慢で」なんて笑っている間に、愛犬、愛猫の関節周辺は大きく爆発するのを待っている爆弾に、少しずつ変化していっているのです。
老齢性変化で起こる病気は、100%仕方の無いものではありません。太らせない、習慣的に関節や脊椎に負担をかけるような行動を取らせない、中高年齢を過ぎたら、また、軟骨異形成犬種なら早期から、関節強化成分を配合したフードを選択する、サプリメントで与える、などなど、ちょっとした気遣いで、発症を遅らせたり、防いだり、症状を軽くしたりすることが可能です。

犬猫は種によって、また同じ犬猫種でも、エネルギーの代謝率には差があります。少し太りやすいな、と感じる子なら、脂肪が少ないフード、太りにくいラムや馬肉を主原料とするフードなどを選択すると良いでしょう。また化学防腐剤、過度の動物性油脂や嗜好性を高めるための香料や添加物を使用したフードは、体内の酸化を促進し、老化を促進します。原料のしっかりしたフードを選ぶことも大切です。
体重の管理、行動習慣に十分注意していても、老齢による変性は起こってしまいます。そこで、中高年齢を超えた子や、運動量が多く、軟骨の磨耗が心配な子や、ダックスフント、ウェルシュコーギーなどの軟骨異形成犬種の子には、早めに軟骨強化成分を摂取させましょう。
具体的には、グルコサミン(軟骨を構成する成分の材料)、コンドロイチン(関節のうごきを滑らかにする関節液を抱え込んでいる成分)が有名ですが、痛みに対する成分としてミドリイガイ(たんぱく質の原料となるアミノ酸やミネラルを含み、結合組織の機能を高めるほか、抗炎症作用がある)、MSM(たんぱく質やコラーゲンの生成を促す天然有機体イオウ)、CMO(免疫調節作用のあるエステル化脂肪酸)、SAMe(抗炎症作用、軟骨成分修復作用を持つアミノ酸)などを併用するなど、症状の程度や年齢にあわせたサプリメントの選択をしましょう。