怪しい健康情報の見抜き方

特定ターゲットだけに通じるキーワードを連呼する絶妙な広告が出現・・・。
その商品に関連した知識がないと理解できないだろうな、と思われる広告が目につくようになりました。逆にある程度知っている人にとっては、広告の言葉の断片からその内容を容易に理解することができます。つまり、これらの広告はある程度関連知識をもった人たちだけを対象にしているのです。
「燃焼系」という言葉を連呼するテレビCMがある。このCMでは、「燃焼系」、「アミノ」、これらの言葉ぐらいしかでてきません。これだけでは何を宣伝しているCMだかわからないはずです。しかし、実際はCMとして成り立っています。しかもCM高感度率は抜群といいます。これには広告側と消費者側とに暗黙の了解があるからです。最近の研究では特定のアミノ酸の組み合わせによりダイエット効果があるのではないかと考えられるようになってきました。書店でも「アミノ酸ダイエット」というタイトルの書籍も目につきます。ダイエットしたいと考えている人達は、「燃焼系」、「アミノ」という言葉を聞いただけで、「その商品に含まれているアミノ酸により脂肪が燃焼し、ダイエットすることができる。」と連想するのです。このCMは数少ないキーワードを連呼するだけで、ちゃんとその商品の購買対象にメッセージを伝えているのです。
以前、アガリクス茸の新聞の一面広告をみたことがあります。しかし、アガリクス茸が何なのか、どのような目的で使われるのか、何の説明もないのです。その広告は、ただ、その会社の販売するアガリクス茸がどのように栽培されているか、いかに不純物が少ないか、いかに特別な成分が多いかなど、他社商品との差別化を図る内容のみ掲載しています。アガリクス茸を知らない人には何のことだかさっぱりわからない。アガリクス茸はがん患者にしばしば用いられる健康食品のひとつです。だから、癌患者やその家族にとって「アガリクス茸」という言葉だけでピンと来るのです。
これら2つの商品の利用目的は異なりますが、人の体に対して何らかの効果を期待させるという点で共通しています。しかし、これらは医薬品でも保健機能食品でもないので保健上の効果を広告することはできません。「ダイエットに効果がある」とか「癌に効く」とか直接宣伝するわけにはいかないのです。だから、消費者の想像力の助けを借りる必要があります。もちろん、それらの商品でダイエットができたり、癌が治ったりする保証はありません。(何しろこれらの広告は、消費者が勝手にそう思い込んでもらうようにつくられているだけなのですから。)
前者のCMではさらに「こんな運動しなくても・・・」というフレーズが続く。聞き流すと「運動しなくてもダイエットができる。」と誤解してしまいますが、そこに映し出されている映像はサーカスでしか見ることのできないアクロバティックな運動です。このような運動などできるはずがありません。このCMは裏で「ダイエットにはもちろん運動は必要だよ。」といっているのです。
コンテンツ提供: 小内亨先生(おない内科クリニック)