怪しい健康情報の見抜き方

今まで、製品に突っ込んだ情報がなかった。これに挑戦しているのがこのサイトである・・・。
健康食品(サプリメント)への一般の関心の高まりとともに、新聞でも健康食品に関する記事を目にすることが多くなりました。ところが、どれも健康食品の問題についてあまりつっこんだ議論がなされないまま、最後に「基本は食事」という言葉で締めくくられています。
もはや健康食品は、一般の興味からしても、食の安全性という面からも無視できない問題となってきています。そのため、しばしば新聞でも健康食品が取り上げられるようになってきました。かつての健康食品に関する記事は、不純物や医薬品が混入していたとか、がんに効くと称して健康食品を販売した会社が摘発されたとか、社会面で取り上げられるものに限定されていました。しかし、最近では家庭欄や科学欄などでも健康食品に関連した記事が目につくようになりました。新聞紙上ではゴシップ記事の材料としての健康食品から、健康維持のために必要な健康食品に変わってきているのです。それは好ましい傾向といえるのでしょうか、記事の内容は健康食品の一面をとらえただけで、その本質的な問題を回避しているように見えます。
従来の健康食品は、別名サプリメントといわれるように、食事由来の栄養不足分を補助する、文字通りの栄養補助食品ととらえられてきました。しかし、今では疾病の予防、糖尿病やがんの治療などその目的は多様化しています。にもかかわらず、新聞の想定する健康食品は依然として栄養補助食品でしかありません。
食品の機能は3つあるといわれます。
1つは最も基本的な栄養補給としての機能です(一次機能)。2つ目は、人の感覚に訴える機能、つまり食品の味、香り、色、食感などです(二次機能)。そして最近注目されている機能が生体調節機能とも呼ばれる三次機能です。これは、食品に含まれる様々な健康に好ましい機能、たとえばポリフェノールの抗酸化作用や魚に含まれる脂肪酸、EPA・DHAの抗動脈硬化作用などです。この機能は、近年の栄養学の進展とともに注目され、マスメディアで盛んに取り上げられるようになりました。ただし、ポリフェノールをとるために大量のワインを飲むわけにはいかないし、動脈硬化が怖いからといって魚ばかり食べるわけにはいきません。そこで、注目される成分だけを抽出した健康食品が登場しました。食事から大量のポリフェノールを摂取することは大変だが、錠剤やカプセルの形ならいくらでも簡単に摂取できるのです。
このように健康食品には食品の一次機能を代用したものと三次機能を代用したものがあります。(その他の役割を持つ健康食品もあるがそれについてはここでは触れない。)新聞記事はこの二者を混同してしまっています。「栄養摂取の基本は食事」の意味は「適切な量とバランスの食事」ということであり、一次機能を代用した健康食品に対する言葉です。食品の三次機能を期待する人たちの感心は「栄養バランスの乱れ」ではありません。
三次機能を代用した健康食品に問われるべきことは、「本当にその健康食品をとったら身体によいのか?」「どのような健康食品をとったら身体によいのか?」ではないでしょうか。新聞はそのような一般の人たちが最も知りたいことに触れようとはしないようです。
コンテンツ提供: 小内亨先生(おない内科クリニック)