怪しい健康情報の見抜き方

いずれにせよ、違法広告を取り締まる国の体制強化が必要では・・・。
最近になって健康食品の広告への取締りが厳しくなってきたようです。平成15年8月29日に施行された健康増進法第32条には、「食品として販売されている物について、健康の保持増進の効果等に関し、(1)著しく事実に相違する、(2)著しく人を誤認させる、ような広告等の表示をしてはならない。」とあります。これに違反した場合、厚生労働省は1)必要な措置をとるよう勧告をする、2)勧告に従わなかった場合は命令、3)さらに命令に従わなかった場合は罰則を適用するといいます。
この健康増進法に基づき厚生労働省はバイブル本をインターネット上の広告に利用していた健康食品の販売業者30社に改善指導を行いました。
バイブル本とは、特定の健康食品の効果を解説した本を出すことで間接的に当該健康食品の効果を広告・宣伝するものです。本を出版することは表現の自由のひとつです。「がんに効く○○」という健康食品の広告は薬事法に抵触しますが、「がんに効く○○」というタイトルを冠した本を出版することは問題ありません。しかも、このようなタイトルを付けた本の広告を新聞に載せることもできます。この方法を流用し、上記の30社は健康食品の広告の一環としてバイブル本をインターネットに載せたというわけです。ところが、健康増進法の改正によって、今までと違いバイブル本の広告を載せること自体が取り締まりの対象となってきたのです。
ある新聞は「30社だけ指導するのは不当だ。」と指導を受けた会社の言葉を紹介しました。その上で、広告規制の適用範囲が広告を掲載する新聞やテレビなどのメディアにまで広げられることに対して、「広告主に責任があるという原則に反する。」という日本新聞協会の反論を掲載しました。しかし、新聞に大きく「がんに効く○○」と掲載されていれば、それがたとえ書籍の広告だったとしても、だまされてしまう消費者もいるでしょう。バイブル本の新聞広告は有名新聞の威光を利用していることは明らかであり、新聞も消費者の誤認に加担しているとはいえないでしょうか。
私は、行政側がその広告の不当性を具体的に示すことは必要なことだと思います。私のサイトでも具体的に広告表現の問題を取り上げていますが、最近上記の健康増進法に関する厚生労働省令を解説するサイトも見られるようになってきました。インターネットはあらゆる情報のるつぼと化しており、その質は様々です。むしろそのために、インターネットを利用する人達の情報を見る目は徐々に厳しくなってきています。「広告内容の責任は広告主にある。」と主張し続けていると、そのうち新聞の見識までも問われるようになってくるでしょう。
コンテンツ提供: 小内亨先生(おない内科クリニック)