怪しい健康情報の見抜き方


アガリクス茸は、長寿で有名なブラジル、サンパウロのピエダーテ地方に自生する茸です。
学名をAgaricus blasei Murillといい、抗腫瘍作用を有することが数々の学会で発表されています。アガリクス茸は他の茸と比べてβ-D-グルカンと呼ばれる多糖類が豊富でこれが免疫力を高め、ガンに対して効果があると言われています。米国のレーガン元大統領が皮膚癌の治療に利用したことが報道され、一躍有名になりました。
私は、かつてその患者さんの家族に何か癌によい健康食品がないかと尋ねられ、その場では答えられなかったことを思い出し、インターネットで調べてみたのだ。私は、インターネットで広告を出しているいくつかの会社に質問のメールを出した。皆親切な回答を下さり、中には資料をおくって下さるところもありました。
これらの回答からいえることは、アガリクス茸の抗腫瘍効果を検討した基礎研究は多くあるものの、ガンに効くという臨床データはほとんどないこと、β-D-グルカンの含有量について他の茸と比較したデータはどの会社ももっていないことです。β-D-グルカン自体、何種類もあり、しかもアガリクス茸で抗腫瘍効果を示すのはこれだけではなく、ステロイド類も関係しているのだという。ますます分からなくなります。レーガン元大統領が利用したということについては、いつどこで報道されたのかとうとう分からずじまいでした。ナンシー夫人がその利用を否定したという報道もあるといいます。真相は闇の中なのです。
主たる臨床研究がないものとあきらめていたところ、あるアガリクス茸の本の中に臨床研究データを見つけました。その研究は中国で行われたもので、二重盲検法を用いて癌患者に対する1ヶ月間のアガリクス茸エキスの効果を調べていました。データをみると確かに自覚症状などの改善がみられていたのです。ただし、2群間で癌の種類、病期が一致しているかどうかについてデータが示されていないこと、癌自体に効果があったかどうかはっきりしないことなど研究内容に数々の問題点がみられることが気になります。
クレスチン(かわらたけ由来)、レンチナン(しいたけ由来)やシゾフィラン(スエヒロタケ由来)など、茸由来の癌に対する薬剤も実際に存在します。アガリクス茸にも何らかの効果があったとしても不思議ではありません。しかし、そうであるならば、上記の研究は是非論文審査のある医学雑誌に掲載されるようにするべきだし、追試も行われるべきだと思います。
参加される患者さん方がいらっしゃるように思うのですが・・・・・。
コンテンツ提供: 小内亨先生(おない内科クリニック)