怪しい健康情報の見抜き方


先日、公正取引委員会(公取委)が新聞の折り込みチラシの内容が景品表示法に抵触する疑いがあるとして健康食品会社3社を公表しました。その広告手法はしばしばダイエット用健康食品の広告に用いられるものであり、公取委の指摘はダイエット広告を読む上で参考となります。
新聞の折り込み広告の中でダイエット用健康食品のものはひときわ目立だちます。食事制限・運動も不要という大きな文字、派手な色使い、タレントの写真が掲載されているものもあります。そして、決まって紹介されているのが、1ヶ月に何キロも痩せたという体験者の写真です。その内容は専門家から見て疑わしいものばかりですが、一般の人たちが真偽を判定することは難しい。その点、今回の公取委からの報告はダイエット用健康食品の問題をわかりやすく伝えています。
その広告ではその健康食品を飲んだ結果「2ヶ月半で12キロ体重が減った!」などという体験談とダイエット前後の写真が掲載されていました。ところが、その体験談はその会社の従業員が創作した架空のものだったのです。
広告によれば、当該商品が「世界健康食品金賞」などの賞を受賞したとか、テレビ番組で紹介されたとされています。ところが、公取委が確認したところ賞を受賞した事実もテレビ番組で紹介されたという事実もありませんでした。その他にも、日本食品分析センターが認可したなどともいっているがそのような事実もなく、これらは皆会社が捏造したものだったのです。
さらに広告には、もしその商品で痩せなかったら商品代金を返金するとの記載がありました。しかし、会社側はあらかじめ返金の条件として、当該商品飲用前後の写真、日々の記録等が必要であることを伝えず、返金希望者に容易に返金に応じないようなしくみをつくっていました。また、電話回線を少なくすることにより電話がなかなか通じないようにしていたのです。
商品価格も特別価格と表示し、今購入すれば割安になるかのような錯覚を起こさせるものでした。ところが、通常価格とされた価格で販売された実績はないのです。
私もその広告を見たことがあります。その広告にはいろいろな成分が紹介されていましたが、成分の痩身効果を証明する科学的根拠は認められず、成分量も表示されていませんでした。広告にはタレントの写真が掲載されており、そのタレントもその商品を利用しているかのようにみせかけていました。
今年景品表示法が改正され、公取委は、効果、性能等に関する表示を行っている事業者に対し、その合理的根拠をを示す資料を提出させ、提出がない事業者に対し排除命令を出すこととしました。しかし、今回公表された会社2社はすでに倒産していました。おそらく、その会社を運営していた人たちはまた新たな会社を立ち上げ、同じような商品を同じような手口で販売するのだろう。このようないたちごっこを収束させるためには消費者が上記のような宣伝手法を理解し、もっと利口にならなければなりません。
コンテンツ提供: 小内亨先生(おない内科クリニック)