怪しい健康情報の見抜き方

腸のひだの間にはコールタールのように付着した古い便、いわゆる宿便が残っていて、ここから毒物が吸収され、代謝が悪くなるために様々な病気となる。だからこの宿便を取り除くために腸内洗浄が必要なのです。
確かに、ダイエットをしたい人にとってみれば魅力的な方法に見えるかもしれませんねぇ?
腸内洗浄とは、肛門から管を入れ、そこから水やコーヒー、石けん水などを注入して、大腸内の便を無理やりに排出させる方法です。確かに便が排出されれば一時的に体重は減るでしょう。けれど、食事をすればまた元に戻ってしまいます。
本来、腸内洗浄は様々な病気に効果があると宣伝されている@代替医療の一つなのです。しかし、現実にはこのような宿便と呼ばれるものは腸の中に存在し ません。大腸の@内視鏡検査をすればそのようなものなどないことは一目瞭然です。ひどい便秘などの治療に用いられる@高圧浣腸と腸内洗浄とは全く異なるもので す。但し、腸から老廃物が吸収され、それが病気の原因となるという考え方は古くからあったらしく、これを治療するための浣腸は、中国、インド、エジプトなどの伝統医学の中でも重要な治療法のひとつでした。
その後、20世紀初頭にはこの考え方は誤りであると非難され、鳴りをひそめたかのように思われたのですが、ここ30年の間、腸内洗浄という考えが復活したのです。中でもGersonという人がガンに対する治療法として特殊な@食事療法とともにコーヒー浣腸を提唱したこともあって、欧米で行っている施設もあります。
しかし、海外では腸内洗浄をきっかけに腸の@感染症が広がったこともありますし、施術の際に直腸を傷つけたり、場合によっては穴をあけたり、「死亡例」もあるのです。しかも科学的にもその理論は間違っています。
このように、理論的に問題のあること、決して安全とは言えないことなどを考えると、腸内洗浄やコーヒー浣腸は全くおすすめできません。
コンテンツ提供: 小内亨先生(おない内科クリニック)