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亜鉛(Zinc)

亜鉛(Zinc)

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Zinc: What is it?(亜鉛とは)亜鉛とは

●Zinc: What is it?

亜鉛は、およそ100の酵素(体内で生化学的反応を促進する成分)の働きを活性化させます。亜鉛は、良好な免疫システムを維持し、傷の回復を助けます。また、味覚や嗅覚を維持するのを助けたり、DNA合成にも必要とされます。
この他にも、亜鉛は、母親の胎内にいるとき、子供時代、青年期にわたって、子供の正常な発育や発達を助けます。

 

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What foods provide zinc?(亜鉛の供給源)亜鉛の供給源

●What foods provide zinc?

亜鉛は、さまざまな食品に含まれています。カキは、一食につき最も多くの亜鉛を含んでいる食品です。
しかし、米国人の食事では、赤肉や鶏肉が主要な亜鉛の供給源です。その他に亜鉛を豊富に含む食品供給源には、マメ、ナッツ、特定の海草、ホールグレーン(全粒穀物)、朝食用強化シリアル、乳製品があります。
亜鉛は、植物性タンパク質より動物性タンパク質からのほうがよく吸収されます。ホールグレーン、シリアル、マメ、その他の食品に含まれるシュウ酸塩(穀類繊維、葉に含まれ、亜鉛の吸収を阻害する)は、亜鉛吸収を低下させる可能性があります。(表1を参照、精選された亜鉛の食品供給源表は、亜鉛のさまざまな供給源を示しています)

 

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What is the Recommended Dietary Allowance for zinc?<br>(亜鉛の推奨栄養所要量)亜鉛の推奨栄養所要量

●What is the Recommended Dietary Allowance for zinc?

最新の亜鉛の推奨所要量は、医学研究所が開発した新しい食事摂取基準に掲載されています。
DRIsは、健康な人の食事をプランニング、評価するために使用される一群の基準値を表す包括的用語です。推奨栄養所要量(RDA)はそうした基準値の一つで、ほぼ全ての(97-98%)健康な人が必要とする栄養を満たす一日の平均食事摂取量です。0~6カ月の乳児のDRIは、適正摂取量(AI)の形で示されます。AIは、母乳で育てられた健康な乳児における亜鉛の平均摂取量です。0~6カ月の乳児のAIは、一日2.0ミリグラムです。2001年、7~12カ月の乳児、子供、成人における一日の亜鉛のRDA(ミリグラム表示)は以下の通りです。

表1:7ヶ月以上の乳児、子供、成人における亜鉛の推奨栄養所要量

年齢 乳児と子供 男性 女性 妊婦 授乳婦
7カ月から3歳 3 mg        
4歳から8歳 5 mg        
9歳から13歳 8 mg        
14歳から18歳   11 mg 9 mg 13 mg 14 mg
19歳以上   11 mg 8 mg 11 mg 12 mg

※全国衛生および栄養調査(NHANESIII 1988-91)と個人別食品摂取に関する継続調査(1994 CSFII)の2つの全国調査によれば、ほとんどの乳児、子供、成人は、推奨されている亜鉛の摂取量を消費しています。

 

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When can zinc deficiency occur?(どんなときに亜鉛欠乏症になるの?)どんなときに亜鉛欠乏症になるの?

●When can zinc deficiency occur?

亜鉛の摂取が不充分かもしくは吸収が悪いとき、また、身体から失われる亜鉛が増えたとき、あるいは身体が必要とする亜鉛の量が増えたとき、亜鉛欠乏症になります。亜鉛欠乏症の症状としては、成長障害、抜け毛、下痢、性的発育不全、生殖不能、目や皮膚の組織障害、食欲不振があります。体重の減少、傷の回復の遅れ、味覚異常、精神的無気力感を経験することも証明されています。こうした症状の多くは一般なものであり、他の病気の可能性もあるため、亜鉛欠乏症によるものだと断定しないでください。症状については医師に相談することが大切です。そうすれば、適切な処置が施されます。

 

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Who may need extra zinc?(余分に亜鉛を必要とする人とは?)余分に亜鉛を必要とする人とは?

●Who may need extra zinc?

亜鉛の栄養状態を適切に調べる実験室での試験は、1つもありません。医師は、亜鉛欠乏症の疑いがあり、亜鉛の補完が必要かどうかを判断するときに、カロリー摂取は十分か、アルコール依存症かどうか、消化器官の疾患はないか、また、乳幼児や子供の場合、成長障害はないかなどを考慮するでしょう。植物性食品からの亜鉛吸収が動物性食品より低いため、菜食主義者は、非菜食主義者より50%多く亜鉛を摂取する必要があるかもしれません。そのため、菜食主義者は、食事に亜鉛が豊富に含まれた供給源を取りいれることが大事です。

妊婦の亜鉛欠乏症は、胎児の成長を遅らせます。亜鉛補完は、軽度から中度の成長障害をもち亜鉛欠乏症になっている子供において、成長の度合いを改善しているケースがあります。母乳は、7~12カ月の乳児に推奨されている亜鉛摂取量を供給することができません。そのため、この年齢の母乳で育てられた乳児は、年齢に合った亜鉛含有食品を摂取するか、亜鉛を含む調合乳を与えられるべきでしょう。小児科医は、こうした状況の場合、亜鉛補完を推奨することもできます。また、母乳で育てると、授乳中に亜鉛の必要性が高まるため、母親の亜鉛貯蔵が減少する可能性があります。母乳で育てている母親は、毎日の食事に亜鉛を豊富に含む食品を取りいれることが重要です。また、妊婦は、ビタミンやミネラルサプリメントの摂取を医師から推奨された場合、それに従うようにしましょう。

アルコール依存症の人の30%から50%は、亜鉛の貯蔵状態が低くなっています。アルコールは、亜鉛の吸収を低下させ、尿中に失われる亜鉛を増やします。さらに、多くのアルコール依存症の人は、食事に多様性がないか、量が少ないため、食事を通しての亜鉛の摂取が充分でない可能性があります。

下痢になると、亜鉛が失われます。胃腸の手術をしたり、スプルー(主に熱帯地方に起こる慢性疾患)やクローン病、短腸症候群などの消化器官障害で吸収不良になった人は、亜鉛欠乏症の危険性が高いです。慢性の下痢を経験している人は、毎日の食事に亜鉛の供給源(精選された亜鉛の供給源表を参照)を取り入れるようにすべきです。また、亜鉛の補完が効果的かもしれません。こうした状況において、食事だけでは正常な亜鉛レベルを維持できないとき、医師は亜鉛サプリメントの必要性を判断できます。

 

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What are some current issues and controversies about zinc?(亜鉛についての最近の問題と論争 )亜鉛についての最近の問題と論争

●What are some current issues and controversies about zinc?

[亜鉛と感染、傷の回復]

免疫システムは、亜鉛欠乏症が中程度でも、影響を受けます。重度の亜鉛欠乏症になると、免疫機能が弱まります。亜鉛は、感染の撃退を助ける一種の白血球であるT細胞(ヒト骨髄中の幹細胞より分化したリンパ球の一種で免疫を調節する)の発達や活性化に必要とされるからです。
亜鉛サプリメントを亜鉛レベルが低い人に与えると、血液を循環しているT細胞の数が増え、リンパ球の感染を撃退する力が高まります。
研究によると、インドやアフリカ、南米、東南アジアの貧しくて栄養失調の子供たちは、亜鉛サプリメントを摂取すると短期間の伝染性下痢になっています。この研究で投与された亜鉛の量は、一日4ミリグラムから40ミリグラムで、さまざまな形状(酢酸亜鉛、グルコン酸亜鉛、硫酸亜鉛)で投与されました。亜鉛サプリメントは、しばしば皮膚潰瘍や床ずれの治癒を助けるために投与されますが、亜鉛レベルが正常なときに、傷の回復が早まることはありません。

[亜鉛と風邪]

風邪の症状の程度や期間に対する亜鉛治療の効果については、いろいろな意見があります。
クレバーランドクリニックの100人以上の従業員を対象にした研究によると、亜鉛薬用トローチは風邪の期間を半分に短縮しましたが、熱が出た期間や筋肉の痛みの程度に違いは見られませんでした。他の研究者は、400人以上の無作為被験者を対象に、風邪の期間や程度に対する亜鉛サプリメントの効果を調べました。最初の研究において、彼らはウィルスを使って人工的に風邪の症状を引き起こしました。風邪の期間は、グルコン酸亜鉛薬用トローチ(13.3ミリグラムの亜鉛を含む)を投与されたグループにおいては大幅に短縮されましたが、酢酸亜鉛薬用トローチ(5もしくは11.5ミリグラムの亜鉛を含む)を投与されたグループでは短縮されませんでした。どの亜鉛調合剤も、治療開始から最初の3日間における風邪の症状の程度には影響を与えませんでした。
2番目の研究で、彼らは、自然に引いた風邪の期間や症状に対する亜鉛サプリメントの効果を調べました。しかし、亜鉛を処方された人とプラセボ(偽薬:砂糖の錠剤)を処方された人を比べても違いは見られませんでした。
最近のリサーチによると、亜鉛の効果は、特定のサプリメント製法による亜鉛イオンを口腔粘膜に運ぶ能力に影響される可能性が示唆されています。亜鉛化合物が、風邪に効果があるかどうかを判断するための補足的なリサーチが必要です。

[亜鉛と鉄分の吸収]

今日、世界では、鉄分欠乏による貧血は、深刻な公衆衛生の問題とみなされています。鉄分強化プログラムは、鉄分欠乏症を予防するために開発されたもので、何百万の女性や乳幼児、子供の鉄分栄養状態の改善に寄与しました。研究者の中には、鉄分強化食品は亜鉛を含む他の栄養素の吸収に影響を及ぼすのではないかと考える者もいます。鉄分で強化された食品は、亜鉛吸収に大きな影響を与えることはありません。しかし、溶液の中の鉄が亜鉛吸収を低下させるように、多量の鉄分サプリメント(25mg以上)は、亜鉛吸収を低下させる可能性があります。食間に鉄分サプリメントを摂取すると、亜鉛吸収に対する鉄の影響を低下させることになるでしょう。

 

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What is the health risk of too much zinc? (過度の亜鉛は健康に害を及ぼす?)過度の亜鉛は健康に害を及ぼす?

●What is the health risk of too much zinc?

亜鉛中毒には、急性と慢性の両方が観察されています。一日150から450mgの亜鉛摂取は、銅のレベルを低くしたり、鉄の機能を変化させたり、また、免疫機能を低下させたり、高濃度のリポタンパク質(善玉コレステロール)のレベルを低下させるのではないかと考えられています。
あるケースレポートによると、グルコン酸亜鉛を4g(亜鉛元素570mg)摂取してから30分以内に激しい吐き気や嘔吐を経験した人がいます。
2001年、国立科学アカデミーは、許容上限摂取量(UL)を設定しました。ULとは、乳幼児や子供、成人のために設定された副作用を引き起こさない範囲の最高の摂取量です。このULは、医学的治療として亜鉛を投与されている人には適用されません。そのような人は、医師のケアのもと、亜鉛の投与による副作用がでていないか監視してもらうことが重要です。

表2:2001年乳幼児、子供、成人のための亜鉛許容上限摂取量

年齢 乳幼児と子供 男女 妊婦と授乳婦
0-6カ月 4 mg    
7-12カ月 5 mg    
1-3歳 7 mg    
4-8歳 12 mg    
9-13歳 23 mg    
14-18歳 34 mg   34 mg
19歳以上   40 mg 40 mg

 

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Selected Food Sources of Zinc(精選された亜鉛の供給源)精選された亜鉛の供給源

●Selected Food Sources of Zinc

2000年アメリカ人のための食事ガイドラインは次のように明言しています。
「食品には、それぞれ異なった栄養が含まれています。必要とする栄養が全て含まれているような食品は、1つとしてありません」。
以下の表は、さまざまな亜鉛の供給源を示しており、一食分の亜鉛含有量をミリグラムと%DVで表しています。表が示すように、赤肉、鶏肉、朝食用強化シリアル、海草、ホールグレーン、乾燥マメ、ナッツは亜鉛の供給源です。朝食シリアルなどの強化食品は、亜鉛の推奨栄養所要量(RDA)を簡単に満たしますが、特に補完的な亜鉛を摂取している場合は、こうした食品の摂取は亜鉛の摂り過ぎになりやすいです。亜鉛サプリメントの摂取を考えている人は、まず、自分が必要とする摂取量が亜鉛を含んだ食事や強化食品で十分に満たされているかどうかを考慮すべきです。

表3:精選された亜鉛の供給源

食品 ミリグラム %DV*
バターにしたカキを揚げたもの、Mサイズ6個 16.0 100
即席で食べられる朝食シリアル、1食につき亜鉛のDVの100%で強化されている、3/4カップ 15.0 100
牛のすね肉、赤身のみ、調理済、約85g 8.9 60
牛のチャック、鍋で蒸し焼きしたもの、赤身のみ、調理済、約85g 7.4 50
牛、テンダーロイン、赤身のみ、調理済、約85g 4.8 30
豚の肩肉、赤身のみ、調理済み、約85g 4.2 30
牛、外モモの一部、赤身のみ、調理済、約85g 4 25
RTE朝食シリアル、一食につき亜鉛DVの25%で強化されたもの、3/4カップ 3.8 25
即席朝食シリアル、完全小麦ふすまフレーク、3/4カップ 3.7 25
ローストしたチキンの足、赤身のみ、1つ 2.7 20
豚デンダーロイン、赤身のみ、調理済、約85g 2.5 15
ローストした豚のサーロイン、赤身のみ、調理済、約85g 2.2 15
プレーンヨーグルト、低脂肪、1カップ 2.2 15
缶入りベークドビーンズ、ポーク入り、1/2カップ 1.8 10
缶入りベークドビーンズ、プレーンまたはベジタリアン用、1/2カップ 1.7 10
乾燥したカシューをローストしたもの、塩なし、約28g 1.6 10
フルーツヨーグルト、低脂肪、1カップ 1.6 10
乾燥したぺカンをローストしたもの、塩なし、約28g 1.4 10
レーズンブラン、3/4カップ 1.3 8
ヒヨコマメ、完熟種子、缶入り、1/2カップ 1.3 8
乾燥ナッツをローストし、ピーナッツと混ぜたもの、塩なし、約28g 1.1 8
スイスチーズ、約28g 1.1 8
乾燥しローストしたアーモンド、塩なし、約28g 1 6
乾燥したクログルミ、約28g 1 6
ミルク、種類はなんでもいい、1カップ 0.9 6
ローストした鳥の胸肉、骨や皮は取り除いた肉のみ、1/2個 0.9 6
チェダーチーズ、約28g 0.9 6
モッツァレッラチーズ、部分的に乳脂肪を除いたもの、低水分、約28g 0.9 6
インゲンマメ、カリフォルニアレッド、調理済、1/2カップ 0.8 6
冷凍したグリーンピースを茹でたもの、1/2カップ 0.8 6
インスタントのオートミール、低塩、1袋 0.8 6
調理したシタガレイ、約85g 0.5 4

※DV =一日の摂取量(Daily Value) DVは推奨食事許容量(RDA)に基づいた参考数値です。この数値は、食品が特定の栄養をどれくらい含んでいるかを消費者が判断する際に役立つように開発されました。亜鉛のDVは、15ミリグラムです。食品の栄養成分表示に掲載された%DVは、一食分がDVの何%を含んでいるか示しています。%DVは、2,000カロリーの食事に基づいています。個々人のDVは、それぞれに必要なカロリーが違うため、これより高いかあるいは低くなります。%DVが低い食品も、健康的な食事になります。


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