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ビタミンE

ビタミンEって何?

Vitamin E: What is it?

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Vitamin E: What is it?(ビタミンEって何?)ビタミンEって何?

●Vitamin B12: What is it?

ビタミンEは脂溶性のビタミンで、8つの異なった形状で存在します。

それぞれの形状は、独自の生物学的働きをし、身体における効能や機能的役割が違います。

アルファトコフェロールは、ヒトにおける最も生理活性が高い形状のビタミンEで、強力な生物学的抗酸化物質です。

ビタミンEなどの抗酸化物質は、フリーラジカルの影響から細胞を守る働きをします。フリーラジカルは身体の代謝によって生じる副産物で、有害になる可能性があります。

フリーラジカルは、細胞に損傷を与え、心臓血管疾患や癌を発症させる可能性があるのです。

現在、ビタミンEは癌などの長く患う病気の発症を予防したり、遅らせることができるかどうかを見極める研究が実施されています。

 

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What foods provide vitamin E?(ビタミンEの供給源)ビタミンEの供給源

●What foods provide vitamin E?

植物性油、ナッツ、緑の葉菜は、ビタミンEの主要な供給源です。

米国では、強化シリアルもビタミンEの重要な供給源です。

精選されたビタミンEの供給源表は、ビタミンEを含む食品を示しています。

 

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What is the Recommended Dietary Allowance for vitamin E for adults?(成人のビタミンE推奨栄養所要量)成人のビタミンE推奨栄養所要量

●What is the Recommended Dietary Allowance for vitamin E for adults?

推奨栄養所要量(RDA)は、年齢別、男女別におけるほぼ全ての(97-98%)健康な人が必要とする栄養を十分に満たす一日の平均食事摂取量です。

2000年成人のビタミンE〈5〉のRDA(ミリグラムと国際単位で表示)
年齢 男女 妊婦 授乳婦
19歳以上 2.4 IU    
全年齢   15 mg* or 22 IU 19 mg* or 28 IU
1ミリグラムのアルファトコフェロール = 1.5 IU

ビタミンEのRDAは、アルファトコフェロールの形状に基づいています。この形状が最も生理活性が高く、使用に適した形状であるためです。

アルファトコフェロールの形状は、実験室で人工的に作られたり、サプリメントに含まれたりしますが、他のビタミンと違って、自然の形状には似ておらず、また、自然の形状ほど活性が高くありません。

全国衛生および栄養調査(NHANESIII 1988-91)と個人別食品摂取に関する継続調査(1994 CSFII)の2つの全国調査によれば、ほとんどのアメリカ人の栄養摂取量はビタミンEの推奨レベルに達していません。

しかし、ビタミンEに関する2000年医学協会(IOM)による報告書は、次のように述べています。「ビタミンEの摂取推定量は、低い可能性があります。なぜなら、エネルギーと脂肪の摂取量は、しばしば全国調査では少なめに報告され、また、調理に使った油の種類や量は、不明なことが多いからです」。

IOMは、「北米の成人は、通常の食事から十分なビタミンEを摂取しており、最新の推奨レベルに達しています」と述べています。

しかし、IOMは、植物性油はビタミンEの非常に重要な供給源なので、低脂肪の食事をする人に注意を促しています。「アルファトコフェロールの摂取を高めるような食品を選ぶようにしないと、低脂肪の食事は、ビタミンEの摂取を大幅に減少させます」。

 

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When can vitamin E deficiency occur?(いつビタミンE欠乏症は起こるの?)いつビタミンE欠乏症は起こるの?

●When can vitamin E deficiency occur?

ヒトにおけるビタミンE欠乏症は、まれにしか起こりません。

ビタミンE欠乏症が起こりそうな特別な状況として、次の3つが考えられます。

脂肪を吸収できない人や生まれたときの体重が1500グラム以下の未熟児、まれにしか起こらない脂質代謝異常の人に、ビタミンE欠乏症が見られます

ビタミンE欠乏症になると、通常、神経衝撃がうまく伝道しなくなり、神経系統に障害をきたします。

 

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Who may need extra vitamin E to prevent a deficiency?(どんな人が、欠乏症を予防するためにビタミンEを余分に必要とするの?)どんな人が、欠乏症を予防するためにビタミンEを余分に必要とするの?

●Who may need extra vitamin E to prevent a deficiency?

脂肪を吸収できない人は、ビタミンEのサプリメントが必要かもしれません。胃腸管からビタミンEを吸収するために、脂肪が必要だからです。

嚢胞性線維症(全身の外分泌腺異常を来たす遺伝性疾患)と診断された人、胃の一部または全部を切除した人、クローン病など吸収不良の症状を持つ人は、脂肪を吸収できない可能性があるので、医師とビタミンEの補完の必要性について話し合うべきでしょう。

脂肪を吸収できない人は、よく脂肪の多い便が出たり、慢性的な下痢になります。

低体重児は、ビタミンEが不足しているかもしれません。

こうした乳児は、通常、新生児専門医の監督のもとに置かれます。新生児専門医とは、未熟児の正確な食事ニーズを診断し、治療する医師です。

無βリポタンパク血症(中性脂肪の輸送に必要なβリポタンパクを合成できないために起こる脂質代謝障害)は、めったに起こらない遺伝的脂質代謝障害で、脂肪やビタミンEの吸収が悪くなります。

この病気と関係があると思われるビタミンE欠乏症になると、神経の伝道がうまく行かなくなったり、筋肉が弱くなったりします。また、失明を引き起こす可能性のある網膜色素変性になります。

無βリポタンパク血症の人は、治療のために、医師に特別なビタミンEサプリメントを処方してもらうこともできます。

 

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What are some current issues and controversies about vitamin E?(ビタミンEに関する最近の問題と論争)ビタミンEに関する最近の問題と論争

●What are some current issues and controversies about vitamin E?

ビタミンEと心臓病

ある予備調査では、ビタミンEは、心臓病を予防したり、遅延させるかもしれないという広く信じられている考え方に行きつきました。

研究者たちは、LDLコレステロール(時に悪玉コレステロールと呼ばれている)が酸化された変異形状は、冠状動脈閉塞を促すと確信しています。冠状動脈閉塞は、閉塞性動脈硬化や心臓発作を引き起こす可能性があります。

ビタミンEは、LDLコレステロールの酸化を制限することで、心臓病の予防や遅延を促す可能性があります。

また、ビタミンEは、心臓発作を引き起こす恐れのある血餅(血の塊)の形成を妨げる助けをする可能性もあります。

観察に基づく研究から、ビタミンE摂取は心臓病になる確率を低くするのではないかと考えられています

約9万人の看護婦を対象にした研究によると、食事やサプリメントから摂取するビタミンEの量が一番多い看護婦は、心臓病の発症が30-40%低いという結果が出ています

このグループにおける食事とサプリメント両方からのビタミンE摂取は、21.6IUから1000IU(32ミリグラムから1500ミリグラム)の範囲であり、中央値は208IU(139ミリグラム)です。

フィンランドの30-69歳の男女5133人を対象にした1994年の報告は、ビタミンEの摂取が増加すると、心臓病による死亡が減少するのではないかと示唆しています。

こうした観察には期待が持てそうですが、無作為臨床試験は、心臓病におけるビタミンEサプリメントの役割に疑問を投げかけています。

心臓病予防調査(HOPE)研究では、4年半にわたって心臓発作の危険性が高い約1万人の患者を追跡調査しました。

この介入研究において、一日265ミリグラム(400IU)のビタミンEを投与された被験者は、砂糖の錠剤を投与された被験者に比べて、心臓血管疾患の発症や心不全や胸の痛みによる入院が大幅に少なかったということはありませんでした。

このHOPE研究の研究者たちは、ビタミンEサプリメントが心臓血管疾患を予防したとは考えられないと示唆しています。

この研究は、現在も継続中で、ビタミンEサプリメントによる介入の期間を長くすれば、果たして心臓血管疾患を予防できるどうかを調べる予定です。

 

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Vitamin E and cancer(ビタミンEと癌)ビタミンEと癌

●Vitamin E and cancer

ビタミンEなどの抗酸化物質は、フリーラジカルによる損傷から身体を守る助けをします。フリーラジカルは、癌などの長期にわたる病気を発症させる一因になる可能性があります。

また、ビタミンEは、ニトロソアミンの生成を妨げる可能性があります。ニトロソアミンとは、食事から摂取された亜硝酸ナトリウム(食品の保存料として使われる)が原因で胃の中で生成される発癌性物質です。

また、ビタミンEは免疫機能を向上させることで、癌の発症を予防する可能性があります。

残念ながら、ビタミンEと癌を関連付けようと試みたヒトの試験や調査は、一般的に結論が出ていません。

いくつかの研究では、ビタミンEの多めの摂取と前立腺癌や乳がん発症の減少に関係があることが証明されています。

しかし、ニューヨーク州の18,000人を超える女性を対象にした、閉経後の乳癌発症におけるビタミンEを含む食事の効果を調べた調査は、多めのビタミンE摂取と乳癌の危険性の低下を関連づけていません。

アイオワ州の女性を対象にした研究において、食事からのビタミンE摂取を増やすと、特に65歳以下の女性の大腸癌の危険性が低下する可能性があることが証明されました。

一方で、約2000人の成人した癌患者を対象にした研究では、ビタミンE摂取と大腸癌の危険性は統計的には関連づけられませんでした。この癌患者たちは、癌に罹っていない非実験グループと比較されました。

今のところ、癌予防のためのビタミンEサプリメントを推奨するには、証明が限定されています

 

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Vitamin E and cataracts(ビタミンEと白内障)ビタミンEと白内障

●Vitamin E and cataracts

白内障は、眼球内の水晶体が灰色に濁り、視力が衰える病気です。

この病気は、高齢者において身体障害や失明の危険性を高めます。

現在、抗酸化物質は白内障を予防したり、遅らせる働きがあるかどうかを調べる研究が行われています。

観察に基づく研究によると、ビタミンEサプリメントを定期的に摂取している人や、ビタミンEの血中濃度が高い人は、そうでない人より、白内障を診断するときに使われる水晶体の透明度が高いことがわかりました。

しかし、中年の男性喫煙者を対象にした研究では、ビタミンEサプリメントは白内障の発症に何の効果も示しませんでした。

白内障を引き起こす主要な危険因子である喫煙効果が、ビタミンE摂取による潜在的な効果に優ったからかもしれません。しかし、それと矛盾する結果もあります。そのため、研究者が、自信を持って白内障の予防にビタミンEを推奨するにはさらなる研究が必要です。

 

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What is the health risk of too much vitamin E?(過度のビタミンE摂取が健康に及ぼす害)過度のビタミンE摂取が健康に及ぼす害

●What is the health risk of too much vitamin E?

過度のビタミンEが健康を阻害する危険性は低いです。

高齢者にとってビタミンEは安全かどうかの最近の報告によると、ビタミンEサプリメントを一日530mgもしくは800IU(現在設定されているRDAの35倍)、4カ月間摂取しても、健康、体重、タンパク質や脂質のレベル、肝臓や腎臓の機能、甲状腺ホルモン、血液細胞の量や種類、出血時間に大きな効果は見られませんでした。

この研究では、ビタミンEを530mgもしくは800IU含むサプリメントを4カ月間摂取しても安全であると証明していますが、長期にわたるビタミンEサプリメント摂取の安全性については、試されていません

医学研究所は、補完的αトコフェロールのどんな形状でもビタミンEの一日の許容上限摂取量を1000mg(1500IU)に設定しています。その理由は、ビタミンEは抗凝血剤として機能し、出血が止まらなくなる危険性を高めるからです

許容上限摂取量は、「総人口におけるほとんどの人にとって、健康に害を及ぼさないと思われる最大摂取量を示しています」。

 

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Table of Selected Food Sources of vitamin E(精選されたビタミンEの供給源表)精選されたビタミンEの供給源表

●Table of Selected Food Sources of vitamin E

2000年アメリカ人のための食事ガイドラインが明言しているように、「食品には、それぞれ異なった栄養が含まれています。必要とする栄養が全て含まれているような食品は、1つとしてありません」。

以下の表は、精選されたビタミンEの供給源を挙げています。

表が示しているように、植物油、ナッツ、緑の葉菜はビタミンEを豊富に含む供給源です。

ビタミンEの一日の必要量は、こうした食品を食事に取り入れることで多分に満たされるでしょう。しかし、アメリカ人のための食事ガイドラインが推奨しているように、総脂肪摂取量を適度に抑えることも大切です。

食品メーカーは、数多くの食品をビタミンやミネラルで強化しています。

食品がビタミンEを含んでいるかどうか判断するため、食品成分表示を読むことが大切です。

健康な食事作りについてさらに情報が欲しい場合は、アメリカ人のための食事ガイドラインや食品ガイドピラミッドを参照してください

食品供給源の表
食品 含有量(IU) %DV ※
小麦胚芽油、1テーブルスプーン 26.2 IU 90
ローストした乾燥アーモンド、約28g 7.5 IU 25
紅花油、1テーブルスプーン 4.7 IU 15
コーン油、1テーブルスプーン 2.9 IU 10
大豆油、1テーブルスプーン 2.5 IU 8
茹でた冷凍カブラナ、1/2カップ 2.4 IU 8
皮や種を取った生のマンゴー、一個 2.3 IU 8
ローストした乾燥ピーナッツ、約28g 2.1 IU 8
ローストしたピーナッツ入りナッツ、約28g 1.7 IU 6
大豆油で作ったマヨネーズ、1テーブルスプーン 1.6 IU 6
冷凍ブロッコリー刻んで茹でたもの、1/2カップ 1.5 IU 6
茹でたタンポポの葉、1/2カップ 1.3 IU 4
乾燥させてローストしたピスタチオ、約28g 1.2 IU 4
茹でた冷凍ほうれん草、1/2カップ 0.85 IU 2
キーウィ、Mサイズ一個 0.85 IU 2

※  DV =  一日の摂取量(Daily Value) DVは推奨食事許容量(RDA)に基づいた参考数値です。この数値は、食品が特定の栄養をどれくらい含んでいるかを消費者が判断する際に役立つように開発されました。ビタミンEのDVは、30IU(20mg)です。食品の栄養成分表示に掲載された%DVは、一食分がDVの何%を含んでいるか示しています。%DVは、2,000カロリーの食事に基づいています。個々人のDVは、それぞれに必要なカロリーが違うため、これより高いかあるいは低くなります。%DVが低い食品も、健康的な食事になります。

この概況報告書は、ミッドランド州べセスダの国立衛生研究所(NIH)ワレングラントマグヌソン臨床センターの臨床栄養サービスが、NIH局長室のサプリメント局(ODS)との協力で開発しました。

ODSの任務は、サプリメントの知識や理解を深めるために、科学的な情報を評価し、また、リサーチを奨励、支援したり、リサーチ結果を普及させて公衆を教育することです。そうすることで、アメリカ人に生活の質や健康の向上を促していきます。

臨床栄養サービスとODSは、この概況報告書で論じた情報が科学的に正確であることを確実なものとした科学評論の専門家に、感謝の意を表します。


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