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ビタミンD

ビタミンDって何?

Vitamin D: What is it?

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Vitamin D: What is it?(ビタミンDって何?)ビタミンDって何?

Vitamin D: What is it?

ビタミンDは、カルシフェロールと呼ばれ、脂溶性のビタミンです。ビタミンDは食品に含まれていますが、太陽の紫外線にさらされることで身体内でも合成されます。

ビタミンDにはいくつかの形状があり、それぞれ異なった働きをします。

そのうちいくつかは身体内で比較的不活発であり、ビタミンとしての機能に制限があります。肝臓や腎臓は、ビタミンDが活性型のホルモン形状に転化するのを助けます。

ビタミンDの主要な生化学的機能は、カルシウムやリンの血中濃度を正常範囲で維持することです。

ビタミンDは、カルシウムの吸収を促進することで、強い骨を形成し、維持する助けをします。ビタミンDは、他のビタミンやミネラル、ホルモンと共に骨のミネラル化を促進します。ビタミンDなしでは、骨は細く、もろく、柔らかくなり、また、ゆがんだりします。ビタミンDは、子供のくる病や成人の骨軟化症を防ぎます。これは骨格の病気で、骨がもろくなります。

 

What are the sources of vitamin D?(ビタミンDの供給源)ビタミンDの供給源

What are the sources of vitamin D?

[食品供給源]

強化食品は、ビタミンDの主要供給源です。

1930年代に乳製品がビタミンDで強化される前は、米国では、くる病(小児に見られる骨の病気)は大きな公衆衛生問題でした。米国の牛乳は、0.946リットルにつき10マイクログラム(400IU)のビタミンDで強化されており、今や、くる病は珍しくなっています。

ビタミンDで強化された牛乳1カップは、成人における一日の必要量の4分の1を供給します。

牛乳はビタミンDで強化されていますが、一般に、チーズやヨーグルト、アイスクリームなどの乳製品は強化されていません。

数は少ないですが、脂肪分の多い魚や魚油などの食品は、もともとビタミンDを豊富に含んでいます。精選されたビタミンDの供給源の表は、ビタミンDの食品供給源を示しています。

精選されたビタミンDの供給源の表は、ビタミンDの食品供給源を示しています。

 

 

Exposure to sunlight(日光にさらされる)日光にさらされる

Exposure to sunlight

日光にさらされることは、ビタミンDの大切な供給源です。

太陽の紫外(UV)線にさらされると、皮膚でのビタミンD合成が始まります。季節や緯度、時刻、雲、スモッグ、日焼け止めクリームによって、紫外線にさらされる程度は変わってきます。

たとえば、ボストンでは、11月から2月にかけての日光の平均量は、皮膚で豊富なビタミンDを合成するには不充分です。日光保護度8かそれ以上の日焼け止めクリームは、ビタミンDを合成する紫外線を遮断してしまうでしょう。それでも、日光にさらされる時間が10分から15分以上になるときは、常に日焼け止めを使うようにしましょう。日光にさらされる時間が限られている人は、ビタミンDが豊富に含まれた供給源を食事に摂り入れることが特に大切です。

 

 

Is there a Recommended Dietary Allowance for vitamin D for adults? (成人のビタミンD推奨栄養所要量について) 成人のビタミンD推奨栄養所要量について

Is there a Recommended Dietary Allowance for vitamin D for adults?

推奨栄養所要量(RDA)は、年齢や男女別における健康な人が必要とする栄養を十分に満たす一日の平均的栄養摂取レベルを指します。

ビタミンDのRDAを設定するための科学的根拠は、不充分なものしかありません。

その代わりに、ビタミンDの活性型形状の血中濃度を良好に維持するために必要な摂取レベル、適正摂取量(AI)が設定されました。

マイクログラムと国際単位(IU)で表示された1998年の成人のためのAIは:

年齢 男性 女性
19-50歳 5 mcg* or 200 IU 5 mcg* or 200 IU
51-69歳 10 mcg* or 400 IU 10 mcg* or 400 IU
70歳以上 15 mcg* or 600 IU 15 mcg* or 600 IU

※1 mcg vitamin D = 40 International Units (IU)(一ミリグラムビタミンD=40国際単位)

食品調査はビタミンD摂取量を調査しないため、アメリカにおけるビタミンD摂取量は推計されていません。ビタミンDの摂取量は、おおむね、強化食品の摂取によって判断できます。

 

When can vitamin D deficiency occur?(ビタミンD欠乏症はいつ起こるの? )ビタミンD欠乏症はいつ起こるの?

When can vitamin D deficiency occur?

ビタミンD欠乏症は、ビタミンDの摂取が不充分なときや日光にさらされる時間が限定されているとき、また、腎臓がビタミンDを活性型の形状に転化できないとき、胃腸管からビタミンDを十分に吸収できないときに起こります。

ビタミンD欠乏症の典型症例は、くる病と骨軟化症です。小児のビタミンD欠乏症は、くる病を引き起こし、この病気になると骨がゆがみます。成人のビタミンD欠乏症は、骨軟化症を引き起こし、この病気になると、骨がもろくなる上に筋肉も弱まります。

 

 

Who may need extra vitamin D to prevent a deficiency?(ビタミンD欠乏症を予防するために、余分なビタミンDを必要としているのはどんな人たち? )ビタミンD欠乏症を予防するために、余分なビタミンDを必要としているのはどんな人たち?

Who may need extra vitamin D to prevent a deficiency?

50歳以上のアメリカ人は、ビタミンD欠乏症になる危険性が高いと考えられています。理由は、ビタミンDを活性型の形状に転化する皮膚の力が、年をとるにつれ弱まるからです。ビタミンDを活性型の形状に転化するのを促す腎臓も、年をとるにつれ、時々機能しなくなります。したがって、高齢のアメリカ人は、サプリメントからビタミンDを摂取する必要があります。

日光にさらされる時間が限られている人は、ビタミンDを豊富に含む供給源を食事にとり入れることが大切です。病気などで外出できない人、北方のニューイングランドやアラスカなど高緯度の地方に住んでいる人、宗教的理由で身体を隠している女性、また日光にさらされない仕事をしている人は、ビタミンD欠乏症になる危険性があります。もし、そうした人たちが、ビタミンDの一日の栄養所要量を満たすことができない場合は、サプリメントの摂取が必要でしょう。

ビタミンDは脂溶性ビタミンのため、脂肪を吸収する力が低下している人(脂肪吸収不良)は、ビタミンDを余分に摂取する必要があるでしょう。

脂肪の吸収不良は、膵臓酵素の欠乏、クローン病、嚢胞性腺維症、スプルー、肝臓病、胃の全てあるいは一部切除手術、小腸病などが原因です。脂肪の吸収不良の症状として、下痢、脂肪の多い便があります。

ビタミンDサプリメントは、しばしば母乳でのみ育てられた乳児に推奨されます。ヒトの乳は、十分なビタミンDgを含んでいない可能性があるからです。

医学研究所は、次のように明言しています。「母乳で育てられた乳児や調合乳で育てられた乳児は、短時間の日光浴を習慣にしていれば、ビタミンDの補完は必要ありません。」

母乳だけで育てられ、日光のさらされる時間が限られている乳児の母親は、ビタミンDの補完について医師と相談すべきです。乳児用の調合乳はビタミンDで強化されているので、調合乳で育てられた乳児は、通常、十分なビタミンDを摂取しています。

 

What are some current issues and controversies about vitamin D?(ビタミンDに関する最近の問題と論争について)ビタミンDに関する最近の問題と論争について

What are some current issues and controversies about vitamin D?

[ビタミンDと骨粗しょう症]

アメリカでは、2500万人以上の成人が、骨粗しょう症になっているか、その危険性があると推定されています。

骨粗しょう症は骨がもろくなる病気で、骨折の危険性が高くなります。身体に正常範囲内のビタミンDが貯蔵されていれば、強い骨が維持され、高齢者や寝たきりの人、閉経後の女性、長期間ステロイド治療を受けている人が、骨粗しょう症になるのを防ぐことができるかもしれません。

研究者たちは、正常な骨は、常に、壊され、作り直されていることがわかっています。

閉経期にはこのシステムのバランスが失われ、作り直される骨より壊される骨の方が多くなります。閉経期の症状を少なくするエストロゲン置換療法により、骨を作り直す細胞の働きを刺激し、骨粗しょう症の発症を遅らせることができます。

ビタミンD欠乏症は、閉経後の女性や高齢者のアメリカ人がなりやすく、欠乏すると、大腿骨頸部を骨折する危険性が高まると考えられています。食事やサプリメントから多量のビタミンDを摂取すれば、高齢の女性において骨の損失が少なくなるのではないかと考えられています。骨の損失は骨折の危険性を高めるので、ビタミンDの補完は骨粗しょう症からくる骨折を予防することを助ける可能性があります。

大腿骨頸部骨折で入院していた骨粗しょう症の女性グループのうち50%は、ビタミンD欠乏症の症状が見つかりました。

ビタミンD欠乏症の治療により、大腿骨頸部の骨折を減少できます。また、一日20マイクロミリグラムのビタミンD補完は、ビタミンDの血中濃度が低い高齢者の骨粗しょう症による骨折の危険性を低下させる可能性があります。

ビタミンD欠乏症の症状が現れたとき、医師は、骨粗しょう症を予防、もしくは治療するための総合的プランの一環として、ビタミンD補完の必要性を話し合うと思われます。

 

Vitamin D and cancer(ビタミンDと癌) ビタミンDと癌

Vitamin D and cancer

研究室での実験や動物実験、疫学的証拠によると、ビタミンDはいくつかの癌を予防する可能性があることがわかっています。

食品調査の中には、乳製品の摂取の増加と大腸癌の発病の減少を関連付けているものもあります。別の食品調査は、カルシウムとビタミンDを多く摂ると、大腸癌の発病が少なくなる可能性があるとしています。

ビタミンD欠乏症は癌の危険性を高めるのか、もしくは、ビタミンDの摂取を増加させれば、いくつかの種の癌を予防できるのか、こうしたことを調べる臨床試験を十分に計画し、実施する必要があります。そのような試験が実施されるまで、癌予防にビタミンDサプリメントの摂取がいいとアドバイスするのは控えた方がいいでしょう。

 

Vitamin D and steroids(ビタミンDとステロイド)ビタミンDとステロイド

Vitamin D and steroids

コルチコステロイド(副腎皮質ホルモンおよびこれに類する化学物質)薬剤は、さまざまな病状から引き起こされる炎症を抑えるために、しばしば処方されます。こうした薬剤は、病気の治療には不可欠かもしれませんが、カルシウム吸収を低下させるなどの副作用を持つ可能性があります。

また、ステロイドはビタミンDの代謝を妨げ、ステロイド薬剤と関係があると思われる骨の損失や骨粗しょう症の一因になる可能性を示す証拠があります。そのため、長期間にわたりステロイド治療を受けている人は、食事と/あるいはサプリメントを通してビタミンDの摂取を増やす必要があるかどうか、医師や登録栄養士と相談すべきでしょう。

 

 

Vitamin D and Alzheimerユs Disease<br>(ビタミンDとアルツハイマー病)ビタミンDとアルツハイマー病

Vitamin D and Alzheimerユs Disease

アルツハイマー病の成人は、大腿骨頸部を骨折する危険性が高くなっています。

多くのアルツハイマー病患者は家から出られないため、日光にさらされる機会があまりないことが原因と思われます。

アルツハイマー病は、高齢者によく見られます。そのため、ビタミンDを活性型の形状に転化する皮膚の力が加齢により低下するという事実が、このグループにおける大腿骨頸部骨折の高い危険性の一因になっているかもしれません。

アルツハイマー病の女性を対象にした研究によると、骨のミネラル濃度の低下は、低いビタミンDの摂取や日光に十分さらされていないことと関係があるとされています。

医師は、成人のアルツハイマー病における総合的治療プランの一環として、ビタミンD補完の必要性を調べています。

 

Vitamin D and Alzheimerユs DiseaseビタミンDの過度の摂取が健康に及ぼす危険性

Vitamin D and Alzheimerユs Disease

過度にビタミンDを摂取すると、健康を害する危険性が高くなります。

ビタミンDの毒性は、吐き気、嘔吐、食欲不振、便秘、虚弱、体重の減少を引き起こします。

また、カルシウムの血中濃度を高め、意識レベルの低下など精神的な変調をもたらします。また、カルシウムの血中濃度が高くなると、心臓の律動の異常を引き起こします。

石灰沈着症(腎臓などの柔らかい組織にカルシウムやリンが沈着すること)は、ビタミンDの毒性により引き起こされる可能性があります。この症状は、常にタラの肝油を多量に摂取しない限り、食事を通してのみの過度のビタミンD摂取からは起こりません。それよりも、ビタミンDサプリメントの多量摂取から引き起こされる可能性の方が高いです。

医学研究所の食品栄養委員会は、12カ月までの乳幼児は25mcg(1,000IU)、子供、成人、妊婦、授乳婦は50mcg(2,000IU)が一日の許容上限摂取量(UL)と考えています。

ULを上回る摂取は、副作用の危険性を高めるため推奨できません。

 

Selected Food Sources of Vitamin D (精選されたビタミンDの供給源)精選されたビタミンDの供給源

Selected Food Sources of Vitamin D

2000年アメリカ人のための食事ガイドラインは次のように述べています。「食品には、それぞれ異なった栄養が含まれています。必要とする栄養が全て含まれているような食品は、1つとしてありません」。(35)

下の表は、ビタミンDの供給源を示しています。表が示すように、強化食品は主要なビタミンDの供給源です。

朝食用シリアル、ペーストリー、パン、クラッカー、シリアルグレインバー、その他の食品は、ビタミンDの一日の摂取量の10%から15%で強化されていると思われます。

食品ラベルの栄養成分表示を読んで、ビタミンDが含まれているかどうか判断することが大切です。

健康的な食事作りに関する情報については、アメリカ人の食事ガイドラインや食品ガイドピラミッドを参照してください。

精選されたビタミンDの供給源

食料 国際単位 %DV *
タラの肝油、1テーブルスプーン 1,360 IU 340
調理されたサケ、約100g 360 IU 90
調理されたサバ、約100g 345 IU 90
油切りした缶詰のイワシ、約100g 270 IU 70
調理されたウナギ、約100g 200 IU 50
無脂乳、低脂肪乳、全乳、ビタミンD強化乳、1カップ 98 IU 25
強化マーガリン、1テーブルスプーン 60 IU 15
シリアルグレーンバー、一日の摂取量の10%で強化されたもの、それぞれ1つずつ 50 IU 10
プディングの素とビタミンD強化牛乳で作ったプディング、1/2カップ 50 IU 10

ビタミンDの一日の摂取量の10%で強化されたドライシリアル、3/4カップ
他のシリアルは、これより多いか少ないビタミンDで強化されているかもしれません

40-50 IU 10
調理された牛肉のレバー、約100g 30 IU 8
卵黄にビタミンDが含まれる卵一個 25 IU 6

※%DV =一日の摂取量(Daily Value)DVは推奨栄養許容量(RDA)に基づいた参考数値です。この数値は、食品が特定の栄養を豊富に含んでいるかどうかを消費者が判断する際に役立つように開発されました。ビタミンDのDVは、400IUです。食品ラベルの栄養成分表示に掲載された%DVは、一食分の食品がDVの何%を含んでいるか示しています。%DVは、2,000カロリーの食事に基づいています。個々人のDVは、それぞれに必要なカロリーが違うため、これより高いかあるいは低くなります。%DVが低い食品も、健康的な食事になります。

この概況報告書は、ミッドランド州べセスダの国立衛生研究所(NIH)ワレングラントマグヌソン臨床センターの臨床栄養サービスが、NIH局長室のサプリメント局(ODS)との協力で開発しました。ODSの任務は、サプリメントの知識や理解を深めるために、科学的な情報を評価し、また、リサーチを奨励、支援したり、リサーチ結果を普及させて公衆を教育することです。そうすることで、アメリカ人に生活の質や健康の向上を促していきます。

臨床栄養サービスとODSは、この概況報告書で論じた情報が科学的に正確であることを確実なものとした科学評論の専門家に、感謝の意を表します。


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