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足りない栄養素をチェック

2006/11/14 119号

もくじ

【今日の話】カロリーだけじゃない! ○○ゼロ・○○オフにご用心!!

【更新情報】世界一ホットな健康情報

【編集後記】疑い深いお年頃

今日の話:カロリーだけじゃない! ○○ゼロ・○○オフにご用心!!

先日、メルマガ読者の方から1通のメッセージをいただきました。

巷で見かける「カロリーオフ」とか「カロリーゼロ」って表示についての基準は、「健康増進法」に基づく「栄養表示基準」の中の「強調表示」に関する事項で定めがあるはずですよ、とのことでした。
ご指摘、ありがとうございます。

確かに表示基準が決められてはいます。
「健康増進法」の第6章「特別用途表示、栄養表示基準等」の中の第31条に「栄養表示基準」についての定めがあります。
しかし、実に分かりずらい!
でも、知らないと「○○オフ」や「○○ゼロ」に騙されちゃいます。

ということで、今回はわかりずらい栄養表示基準についてのお話です。

では、「健康増進法」と「栄養表示基準制度」についてのおさらいからスタートです。


●健康増進法(けんこうぞうしんほう;2002年8月2日法律第103号)とは?

国民の健康維持と現代病予防を目的として制定された法律。
国民の責務として、健康な生活習慣の重要性への関心と理解を深め、生涯に渡り、自らの健康状態を自覚するとともに、健康の増進に努めなければならないとしています(第2条)。

医学的証明のない健康食品における効能の表示など、誇大広告を禁止しているほか、第25条では、たばこ(受動喫煙)の防止を取り上げています。

●栄養表示基準制度とは?

栄養表示基準制度は、食品の栄養成分に関する適切な情報を広く提供することにより、食を通じた健康づくりを推進するために制度化されました。加工食品の栄養成分等の表示に一定のルール化を図り、食品を選択する上での適切な情報を消費者へ提供することを目的としています。


さて、おさらいはできましたか?
この2つの内容を見ると、凄く良さそうでしょう?
しかし、消費者に対しての「本当の情報提供」かと言えば疑問が残ります。
それが「○○ゼロ」とか「○○オフ」といった表示なわけです。
これは「栄養成分表示」と関係があります。

  

●栄養成分表示ってなに?

ミネラルウォーターや飲料水、サプリメントのパッケージなどに書かれているので、ご覧になったことがある方も多いのではないでしょうか。栄養成分は、健康増進法という法律の栄養表示基準にもとづいて表示されています。この基準では、食品に何らかの栄養成分やエネルギーに関係する表示(「カロリー控えめ」「ビタミンCたっぷり」など)を記載する場合には、その栄養成分と一緒に主な栄養成分(たんぱく質、脂質、炭水化物、ナトリウム、エネルギー)の量を表示することが定められています。

ちなみに、表示しなければならない成分は次のような理由から選ばれたようです。

(1)たんぱく質、脂質、炭水化物は3大栄養成分といわれている。
(2)ナトリウムの摂り過ぎが高血圧の原因になっているから。
(3)熱量の摂り過ぎが肥満の原因のひとつになっているから。


これを簡単に言うと、『たとえ入っている量が「ゼロ」でも表示しなくてはならない決まり』ということになります。つまり、「含まれていない」のも大切な情報だと言っているんですね。

「だったら何で○○ゼロなんて書くの?」
そんな疑問がわきませんか?
何か矛盾していると思いませんか?
その謎には「栄養表示基準」と「強調表示基準」が関係してきます。


●栄養表示基準に従った表示が必要なときとは?

栄養表示は義務表示ではありません。
しかし、加工食品の容器包装や添付文書に栄養成分等の表示をする場合や、なんらかの栄養成分や熱量に関する強調表示を行う場合には「栄養表示基準」に従って表示しなくてはなりません。


分かりやすく言うと・・・。
「エネルギーカット」「カルシウムたっぷり」「ビタミンC入り」「アミノ酸バランス食品」と商品の外箱などに表示された商品の場合、具体的な栄養成分についての表示がされているので、その食品に含まれる栄養成分表示をしなくてはなりません。これには非常に細かい決まりがあります。

しかし、「甘さひかえめ」とか「うす塩味」という味に関する表現や、原材料名に「ビタミンC」と書かれているだけならば栄養表示基準の対象にはならず、栄養成分の表示はなくてもいいのです。

「甘さひかえめ」と書かれた商品と「カロリーひかえめ」と書かれた商品があったとして、一方には表示の義務があるのに、もう一方には表示の義務はないんですねー。
たしかに、味覚は人それぞれですし、栄養成分に直結する表現とは言えないかもしれませんが、実に紛らわしいと思いませんか?

そして、栄養表示基準の中に「強調表示」についてが書かれているのですが、これも分かりにくい。


●栄養成分が「多い」「少ない」という強調表示を行う場合は?

主な栄養成分(たんぱく質、脂質、炭水化物、ナトリウム、エネルギー)の栄養成分のほか、厚生労働大臣の定める基準を満たす必要があるとされています。
これには「絶対表示」と「相対表示」という2つのパターンがあり、どの程度少なければ「○○ゼロ」とか「○○ひかえめ」と表示して良いか、また、どの程度多ければ「○○含有」とか「○○増量」という表示をして良いかということも細かく決められています。特に栄養「補給・含有・たっぷり・入り・高い」などの補給ができる旨を強調する場合の基準は、ここでは書ききれないほどかなり細かく設定されています。


私が最もわかりにくいなぁと思うのは「砂糖不使用」と「食塩無添加」の表示です。


■「砂糖不使用」の表示について

健康増進法の栄養成分表示では「炭水化物」の表示が推奨されています。
ご存知の通り、炭水化物は「糖質」と「食物繊維」からなっています。「糖質」とは砂糖やでんぷんなど効率よく消化されエネルギーになるものです。「糖類」は糖質の一種で、ぶどう糖や果糖またはショ糖や乳糖などの単糖類や二糖類を指します。

この表示の場合、強調表示基準は適用されません。しかし、「砂糖」は栄養成分に関する表示に該当するので、一般表示事項の表示が必要になります。この際はショ糖の量も記載する必要があります。たとえばパッケージには「砂糖不使用」と書いているけれど、ウラの栄養成分表示を見ると「ショ糖○○g」と書かれるわけです。しかし、原料に砂糖が含まれていなければ、堂々と「砂糖不使用」と書いて販売してもいいのです。

  ショ糖は砂糖の主成分。一般的にはごく近い関係であるために「ほぼ同じ」だと思っている人も多いはずです。でも、たしかにこの2種類は違う。だから、ショ糖を使っていても砂糖をつかっていなければ「砂糖不使用」と書いてもOK。当然といえば当然のことかもしれませんが私にはとても分かりにくい基準に思えます。

■「食塩無添加」の表示について

これも「砂糖不使用」と同様に、強調基準は適用されません。ただし食塩は栄養成分に関する表示に該当するので、一般表示事項の表示は必要となります。また、食塩を添加していなければ、その食品本来が持つ成分にナトリウムが含まれていても「食塩無添加」の表示はできます。そして、食塩以外の形であってもナトリウムを添加している場合は「食塩無添加」の表示は行わないことと定められています。

たとえば「食塩無添加」と書かれた商品のパッケージのウラに「ナトリウム○○g」と記載されていたら、それは原料になる食品自体にもともと含まれている成分だということなのです。これって、知っていないと混乱してしまいますよね。


さぁ、何となく「栄養表示基準」のカラクリが分かってきましたか?
では、先週の続き。
「○○ゼロ」表示の落とし穴についてです。
実はコレ、カロリーだけじゃありませんよー。


■「○○ゼロ」「低○○」表示の落とし穴

エネルギー(カロリー)、タンパク質、脂質、糖質どれもが「0」であることが表示された商品があるとします。この場合「ゼロ、低」という部分が強調された表示から、基準に従い含有量が一定量以下(未満)であるということが分かります。しかし、「0」と書かれているからといってゼロであるとは限らないということでもあるわけです。

たとえば、エネルギー(カロリー)なら100gまたは100mlあたり5kcal未満の場合は、1kcal、2kcalであっても「0kcal」と表示しても問題がありません。これは、5Kcal未満であれば摂取カロリー的には非常に微量であるということから、このように決められていると考えられます。

また、ナトリウムなら同5mg 未満、脂質と糖類なら0.5g未満の場合は「ゼロ」とか「含まない」と表示しても良いことになっています。「無○○」「○○ゼロ」「ノン○○」「○○フリー」といった表示の場合がこれにあたります。

これと同じように「低○○」「○○ひかえめ」「少○○」「○○ライト」と書かれた商品の場合は、エネルギー(カロリー)なら100g当たり40kcal以下、飲料などの場合は100mlあたり20kcal未満であれば問題はありません。また、ナトリウムなら同120mg 未満、脂質は3g(液体物の場合の脂質は1.5g)未満、糖類なら5g(液体の場合の糖類は2.5g)未満であれば問題がありません。

  ■スティックシュガーで計算すると・・・

分かりやすく飲み物とお菓子で説明してみましょう。
飲料の場合、「無糖コーヒー」と「微糖コーヒー」とでは5倍以上カロリーが違ってきます。そして、思っている以上の砂糖を摂取していることになります。ファーストフード店のスティックシュガーが約3gですから、「無糖コーヒー」だとその6分の1が、「微糖コーヒー」だと6分の5の量が含まれていることになります。

また、これがお菓子の場合だと「ノンカロリー」と「カロリーオフ」ではなんと8倍以上の差が発生することになります。「ノンカロリー」の場合は「無糖コーヒー」と同じでファーストフード店のスティックシュガーの6分の1が、「カロリーオフ」のお菓子の場合はなんと3分の5本分(2本弱)の糖質が含まれているのです。


これって、本当に「カロリーオフ」って言えるのでしょうか?
「含まれてないことも大切な情報だから表示すべきです」というのは大義名分で、本当は「ゼロではないのにゼロ表記をしてもいい」って決まりの庇護のもと、私たち消費者は騙されているんじゃないかって気がしてきます。

確かに他の商品に比べればカロリーや塩分が少ないのかもしれません。
しかしこれでは「含まれていない、ゼロ」という表示も「少なめ、低い」という表示も、どれも正確な情報だとは言えない気がしませんか?

現在の消費者の健康志向を反映し、栄養成分等の表示に対する関心が高まることは良いことだと思いますが、このような企業サイドの「抜け道」もちゃんと準備されているわけです。カロリー表示にしろ、砂糖や塩分の表示にしろ、全てを疑ってしまいたくなる表示基準であったりします。

これはサプリメントにも同じことがいえます。微々たる量しか有効成分が含有されていないのに、栄養成分表示の網をうまくくぐりぬけている商品もあります。その一方で、非常に真摯に製品を作っているメーカーも、もちろん存在しています。

しかし、私たちは商品に表示された栄養成分表示を見て、品物を選ぶことしかできません。商品の良し悪しを見極めるのは、消費者である私たち自身。巷の噂を全て信じてしまうのではなく、自分の目で確かめて、自分に合った食品やサプリメントを上手にとる習慣をつけたいものです。

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編集後記:『疑い深いお年頃』

私がこのメルマガを担当するようになって、早いものでもう3ヶ月。
毎度長い文面で、読むのに一苦労だろうなと思いながら書いています。
でも、それだけ伝えたいことが沢山あるんです・・・。
スミマセン、いつも長くて。
だから、もしかして誰も読んでないかもなぁと思っていたりもしました。
それでも、できるだけ分かりやすく、楽しんで読んでいただけるようなメルマガを作りたいと思って書いておりました。

ところが!
前回のメルマガを送信した後、1通のお便りが。
凄く、凄く、すご~~~く、嬉しかったです。
ご指摘を頂いたことで、「あぁ~、ちゃんと読んでくださってるんだ!」と実感しちゃいました。
文字を発信する側として、こんなに嬉しいことはありません。
この場を借りて、御礼申し上げます。

商品の栄養成分表示だけでなく、何に対しても疑い深くなってしまうのは年齢のせいなのか、それとも臆病な私の性格なのか、そこは疑問ですが、メルマガを楽しみにしてくださっている方がいるのは疑いようのない事実。
これからもできるだけ楽しくて分かりやすい情報をお伝えしていけたらと思っています。

 さてさて、次回は何にしましょうかねぇ・・・。

(メルマガ読者様に感謝@唐鎌)

 

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