ここ数十年の間、日本では食に関する安全問題が社会で数多く取りただされましたね。
例えば…
1980年代 残留農薬・食品添加物の人体への悪影響
1990年代 O-157による食中毒・ダイオキシン汚染・遺伝子組み換え食品の不安
2000年代 狂牛病の発生・食品偽装表示・無許可添加物使用・無登録農薬使用など…
ごくごく身近な食品に潜んでいた危険に誰もが驚き、関心は一気に高まりました。その結果、私たちは自分の口に入るものの『安全性』を、以前よりも重視するようになりました。今や『安全性』は食品を選ぶときの重大ポイントで、お母さんたちの目もずいぶん肥えてきたと思われます。
しかし、食の安全性について語るとき、そのほとんどは大人の水準で考えられていることにお気づきでしょうか?!大人が口にして初めてその有害性が認められる場合が多くのパターンなのです。この時点で、私たちはいくつかの重大なことを見落としています。
アメリカではこうした子どもの食に注目した研究が数多く進められています。そのなかで、いかに子どもの食生活が環境問題の影響によって危険にさらされているのかが明らかになってきました。具体例をあげてみていきましょう。
食品には殺虫剤が含まれている場合があることをあなたはご存知でしたか?いわゆる残留農薬の一種ですね。これは農作物を生産する過程である程度は使用されるものなので、法定制限以内であることが決められています。しかし、その基準は大人を基準に決められているので、子どもたちにとっても安全であるといえる水準ではなかったという報告があります。
つい最近日本でも、殺虫剤にまつわるニュースが報道されていました。中国から輸入されたお茶に法定制限以上の殺虫剤が含まれていることが発覚したり、イチゴに基準値の数倍の殺虫剤が残留していたり…。本当にごく身近な事件なだけに驚かされます。※全米科学アカデミーが1993年に発表した「子どもの食事と殺虫剤」より
水銀は自然環境の中にも存在しますが、産業汚染によっても大気に放出されます。それは、水に溶け込みより毒性の高い形へ変化します。特に魚や貝がこの水銀を蓄積するのです。日本では、水俣病という深刻な水銀中毒の被害があったので、多くの人が危機感を持っていると思いますが、子どもはより水銀の深刻な影響を受けやすいと言われています。※2001年にアメリカ食品医薬品局は「子どもと授乳期の母親は水銀含有量が多い危険のある魚の摂取を避けるほうが懸命である」と報告している。
硝酸塩は唾液・胃液との結合、常温保存・過熱などによって亜硝酸塩に変化し、体内でニトロソアミンという化学物質に変化します。ニトロソアミンは発がん性物質です。さらに、約8ヶ月未満の乳児にとって、硝酸塩はへモグロビンに影響を与える可能性があり、大人以上に危険です。とっても恐ろしい話ですが、この硝酸塩を私たちは知らずに口にしている可能性はとっても高いのです!
では、いったいどんなところに硝酸塩は潜んでいるのでしょう?
真っ先に優先する方法、それは…無農薬野菜などの有機食品を買うこと!です。
参照サイト:http://www.maff.go.jp/soshiki/syokuhin/heya/jasindex.htm
日本では、厳しい生産基準をクリアして生産された、有機(オーガニック)食品のことを有機食品といい、その証である「有機JASマーク」がついています。
有機食品のJAS規格は、以下のような生産の方法を定めています。
種まき又は植え付け前2年以上、禁止された農薬や化学肥料を使用していない田畑で栽培する。
栽培期間中も禁止された農薬、化学肥料は使用しない。
遺伝子組換え技術を使用しない。
飼料は主に有機の飼料を与える。
野外への放牧など、ストレスを与えずに飼育する。
抗生物質等を病気の予防目的で使用しない。
遺伝子組換え技術を使用しない。
化学的に合成された食品添加物や薬剤の使用は極力避ける。
原材料は、水と食塩を除いて、95%以上が有機食品である。
遺伝子組換え技術を使用しない。
この「有機JASマーク」がない農産物や農産物加工食品に、「有機」、「オーガニック」などの名称の表示や、これと紛らわしい表示を付すことは法律で禁止されています。
と~っても厳しい基準があるんですね。だからこそ信頼もできる食品といえます。
有機食品といっても、簡単に手に入らない、高くて購入しにくいといった意見もあります。そう思っている方は少なくとも以下の手段を検討してみましょう。
果物・野菜は皮に残留農薬がある可能性があります。子どもに出す場合は特に皮をはぎましょう。また、葉物は外側の葉を取り除くといいでしょう。
なぜなら、季節ものではない農産物は比較的長距離輸送されて届いている場合が多いからです。やはり、輸入物などは収穫後に殺虫剤処理をされていることが多いようです。
地元の食物はやっぱり新鮮。添加物・殺虫剤は比較的少ない傾向にあります。
子どもは好き嫌いが多く、一種類のものばかりを好んで食べることがあります。しかし、口にする食品の種類を固定しないで順繰りに変えてあげることで、特定の化学物質を含んだ食品をたくさん摂取する危険から回避できるのです。偏食の激しい子ならばやはり有機食品を選ぶのがよいでしょう。
あなたの地元の水質は安全ですか?水道水は汚染されていませんか?子どもがいる家庭では特に注意が必要です。台所に浄水器を置くなどの努力を惜しまずに!
ビタミンやミネラルに含まれる抗酸化物質は、環境有害物質から形成される余分な活性酸素を中和してくれます。食品からでは不足しがちな栄養素を補うのに利用するのはいい方法です。今までは私たち大人が、アンチエイジング・老化防止目的で利用していたのが中心だったので子どもにサプリメントと言われてもピンとこないかもしれません。ですが、子どもの病気予防・発達促進といった側面からも最近注目度が高まってきています。
訳注)ウッド博士はサプリメントを推奨していますが、2006年時点の日本において、訳者はサプリメントはあくまで補助的なものであり、自然食品から栄養を摂取することが最優先と考えています。
医学顧問委員会の委員長として、栄養補助食品会社であるUSANA、Health Sciences社及びサーブのスポークスマンとしてアメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド及び日本各地で、医師、保険専門家はもとより、子どもたちの両親をも対象にして、子ども栄養学に関しての講義をして廻る。
著書に『How to Get Kids to Eat Great & Love It!』
平成10年昭和大学医学部卒業。大学病院勤務を中心に、千葉県こども病院未熟児新生児科でこども専門医療に従事、町田市民病院小児科などで地域医療にも関わる。2001年から沖縄県石垣島の県立八重山病院で離島医療に携わる。2002年、アレルギーの専門病院である国立病院機構相模原病院の小児・小児アレルギー科へ配属。最先端の気管支喘息、アトピー性皮膚炎、食物アレルギーの治療に関わる。子どもにとって何が一番よいのかを常に考えながら、代替医療、統合医療を積極的に取り入れている。
http://www.tama-garden.com/
平成17年立教大学コミュニティ福祉学部卒業。平成19年東京国際大学大学院臨床心理学研究科修士課程卒業。メディカルサプリメント指導士。児童福祉司。食育指導士。プレイセラピーや発達心理学を学び、小学校でスクールカウンセラーとして子どもの心理面のケアを行う一方で、食育・栄養学などの知識も有し、心身両面からの治療および発達支援を研究している。