新生児の時期に予期せずして浮上し親を悩ませる赤ちゃんのトラブルには様々な状況が考えられます。 今回は、赤ちゃんにまつわる問題で最も一般的なものを3つ、具体例を見ながら説明していきましょう。 その代表的な問題とは、『疝痛』『吐き出し』『過剰な授乳要求』の3つです。
ここからの話は、生後3週間から4週間の赤ちゃんを主人公として説明をしていきましょう。
疝痛という言葉をご存知ですか?
疝痛とは赤ちゃんが手のつけられないほど泣き続け、普通の方法では泣き止まないことをいいます。もっと具体的に説明すると以下のようになります。
疝痛持ちでもそうでなくても、赤ちゃんはみんな激しく泣きます。
そして、激しく泣く理由は様々です。腹部に何らかの不快感があるのかもしれませんし、お腹がすいている・暑いなど生理的な反応かもしれません。ですが、赤ちゃんは言葉で訴えてはくれませんし、何が原因か分かりません。
親はこうして原因不明の激しい泣きを続ける赤ちゃんを目の前にすると、どうしていいか分からずに右往左往してしまいます。そして、それが長引けば長引くほど、親には相当なストレスがかかってしまいます。どうにかして対応を考えなくてはいけません。
そこで、原因の分からない理由で激しく泣いている赤ちゃんに困った時、まずはこれから挙げる項目にその赤ちゃんが当てはまっていないか1つずつ点検してみてください。そして、その原因と対応策を十分に学びましょう。
赤ちゃんによっては、母親の食べた食品に過剰に反応したり、本当にアレルギー反応を起こしたりする場合があります。食品に対する過敏性や不耐性を持つ赤ちゃんは、発疹ができたり下痢になったりといった反応を示す場合が一般的ですが、むずかりやすいので、疝痛と勘違いされるほど激しく泣く場合もあります。アレルギーには遺伝性がありますので、もし家族の中にアレルギー持ちの人がいれば注意が必要です。また、疑わしい食品があればしばらく避けてみましょう。
たまに、赤ちゃんが細菌やウイルスに感染していて、お腹にガスがたまってむずかる場合があります。便が水っぽくなり、血や粘液が含まれることもあります。もしも常に便が水っぽくてほとんどオムツに吸収されてしまうような場合、それは下痢を起こしている可能性がありますので、お医者さんに相談してみましょう。
おしゃぶりをよく使っている場合、あるいは哺乳瓶からの授乳で空気を飲み込む場合、空気の飲み込みすぎでお腹にガスが溜まりやすくなっているかもしれません。授乳の最中に時々げっぷさせたり、哺乳瓶の吸い口の形を変えてみたりするとよいかもしれません。
もし以上の項目に該当がなければ、その赤ちゃんは古典的な疝痛持ちの可能性が高くなります。対応としては、抱っこして揺らしたり、音楽を聞かせたり、姿勢を変えてあげたりなど、あやし方を工夫しながらとにかく辛抱強く付き合うしかありません。むずかる赤ちゃんをしばらくの間ぎゅっと抱きしめてあげましょう。
訳者注:『日本では「夜泣き」とひとくくりにされています。「夜泣き」のはっきりした定義はありません。夜泣きに関しては漢方薬の抑肝散や、甘麥大棗湯などの処方で改善する場合があります』
これも赤ちゃんによくみられる厄介なトラブルです。「胃食道逆流」としても知られて、赤ちゃんだけではなく子どもや高齢者に幅広くみられます。
もし赤ちゃんの体重が増えており、むずかりもしないならそれほど心配する必要はありません。身体の組織が発達していくとともに逆流現象は減っていくでしょう。胃食道逆流の状態が問題となるのは以下のような場合です。心当たりのある親はお医者さんに相談が必要です。
注意:胃食道逆流とは別に『噴水状嘔吐』という症状もあります。これは吐き出し方が激しく胃食道逆流とはまったくの別物で、腸管の閉塞が原因です。出来るだけ早く小児科医に相談してください。
赤ちゃんは時間をずらして数度のまとめ授乳をすることが出来るはずで、それが普通です。授乳間隔が1,2時間程度でひっきりなしにミルクを求められてしまうと、お母さんはヘトヘトになってしまいます。原因と対策を考えなくてはなりません。
女性の中にはあまりにも大量の母乳が出すぎることで悩む人もいます。そのような母親の赤ちゃんは、授乳の間中、ずっとお乳をグイグイと飲み続け、ひっきりなしに授乳をせがむようになる場合もあります。対応としては、一度に片方の乳房だけを与えるようにすることです。また授乳の姿勢を工夫して、赤ちゃんがお母さんの体の上にくるような位置関係にして母乳を与えるという方法もあります。
異常なほど頻繁に授乳をせがむ赤ちゃんの中には、母乳が十分に飲めず空腹を感じている赤ちゃんもいます。対策の1つとしては、母乳を朝から搾乳してためておくことです。もし赤ちゃんがむずかったり、晩になって空腹を感じているようであれば、母乳によって普通の授乳をした後、とっておいた母乳を哺乳瓶から与えてみてください。うまくいけば、授乳間の間隔が長くなるでしょう。
過剰に授乳や感触要求する赤ちゃんの場合には、本当に空腹になった時のサインを認識できるように、赤ちゃんの様子をじっくり観察してみるとよいでしょう。
医学顧問委員会の委員長として、栄養補助食品会社であるUSANA、Health Sciences社及びサーブのスポークスマンとしてアメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド及び日本各地で、医師、保険専門家はもとより、子どもたちの両親をも対象にして、子ども栄養学に関しての講義をして廻る。
著書に『How to Get Kids to Eat Great & Love It!』
平成10年昭和大学医学部卒業。大学病院勤務を中心に、千葉県こども病院未熟児新生児科でこども専門医療に従事、町田市民病院小児科などで地域医療にも関わる。2001年から沖縄県石垣島の県立八重山病院で離島医療に携わる。2002年、アレルギーの専門病院である国立病院機構相模原病院の小児・小児アレルギー科へ配属。最先端の気管支喘息、アトピー性皮膚炎、食物アレルギーの治療に関わる。子どもにとって何が一番よいのかを常に考えながら、代替医療、統合医療を積極的に取り入れている。
http://www.tama-garden.com/
平成17年立教大学コミュニティ福祉学部卒業。平成19年東京国際大学大学院臨床心理学研究科修士課程卒業。メディカルサプリメント指導士。児童福祉司。食育指導士。プレイセラピーや発達心理学を学び、小学校でスクールカウンセラーとして子どもの心理面のケアを行う一方で、食育・栄養学などの知識も有し、心身両面からの治療および発達支援を研究している。