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なぜ日本人はメディアの情報を真に受ける!?

怪しい健康情報の見抜き方

健康情報とメディアリテラシー

メディアリテラシー

メディアはありのままの情報を伝えるのではなく、視聴率を取れる情報を伝えるのである・・・。

メディアの発信する情報の裏には必ず何らかの意図があります。このようなことは誰もが知っているはずなのですが、テレビ、新聞となるととかく忘れがちです。

もう1年以上前のことになりますが、私はあるニュース番組から取材を受けました。最近流行しているビタミン、ミネラルサプリメントの過剰摂取について知りたいということでした。それは、私があるサプリメントマニアのビデオを見ながらコメントするという形で収録されました。見せられたビデオに登場する人たちは、食事を食べたり食べなかったり、もし食べても菓子パン1個、その代わりサプリメントを茶碗1杯ほど飲む。このような人たちをテレビ局はよくも見つけ出したものです。テレビ局側は、このような極端な例を出して、いかに過剰が問題であるかを訴えようとしているわけです。しかし、私に言わせれば、サプリメントの過剰症などより、著しく偏った食生活の方がよほど問題です。

私は質問に応じ、様々な過剰症について答えました。確かにビタミンAは過剰摂取の問題があり、特に妊婦が過剰摂取すると危険です。ビタミンDも過剰摂取すれば問題となるでしょう。しかし、実際にビタミンAやビタミンDのサプリメントだけを大量に摂取する人などいません。ましてや他のビタミン、ミネラルの過剰症が問題となることはほとんどありません。いろいろ話しているうちに、取材に来た人は鉄の過剰症に興味を示しました。
「鉄の過剰症としてはヘモクロマトーシスという病気があって、心筋障害や肝障害を起こします。しかし、一般に過剰症となることはめったにないと思いますね。」

私はこのように話しました。20~30分あまりビデオを撮っていったでしょうか。後日その番組を見ましたが、私が登場したのはたかだか1~2分。しかも、その番組では鉄の過剰症の問題がことさら強調され、私のコメント「一般に過剰症となることはめったにありませんね。」という後半部分はみごとにカットされていました。過剰症を強調したいテレビ局側としては、鉄の過剰症はもってこいの話題であったようです。様々な臓器障害の話は、視聴者に過剰症への恐怖感を与えるに十分でしょう。

テレビに生出演したある人は、番組制作者側から特定の内容については触れないよう依頼されたと聞きます。またある人は、発言した意図とは異なった形でテレビ放映され、不愉快な思いをしたといいます。このような問題があることなど、視聴者の知る由もありません。

メディアは事実をそのまま伝えるのではなく、メディアが伝えたいことを伝える。何が重要であるかは専門家や我々が決めるのではなく、メディアが決めるのです。メディアの発信する情報に翻弄されないためには、「メディアの特性や社会的な意味を理解し、メディアが送り出す情報を『構成されたもの』として建設的に『批判』」できなければなりません。(菅谷明子著「メディア・リテラシー」岩波新書)我々にはメディアリテラシー、すなわち「メディアが形作る『現実』を批判的(クリティカル)に読みとる能力」が求められています。





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