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トクホって国民を守るため? お金儲け!?

怪しい健康情報の見抜き方

中と半端な特定保健用食品

トクホに頼りっぱなしの消費者にイエローカード

「血圧が高めの方へ」は、高血圧にも訴求されてしまう。これって病人を対象にしているのでは・・・。

 

今回の中国製ダイエット用健康食品の事件を契機に厚生労働省は健康食品の監視体制を厳しくしようとしているようです。これからは、保健機能食品、中でも特定保健用食品(トクホ)がさらに注目を集めることになるでしょう。なにしろトクホはその効果、安全性について国がお墨付きを与えているのですから。

中でも、「血圧が高めの方」「血糖値が気になる方」向けのトクホが注目されています。しかし、このトクホについて気になることがあるのです。

本来その趣旨からいえば、トクホは病気の人を対象にしたものではありません。病気の人、つまり高血圧や糖尿病の患者さんは医療機関を受診し、そこで治療を受けるべきなのです。トクホの対象はあくまで健康人と患者の間のグレーゾーンの人たちということになっています。つまり、トクホに表示されている「血圧が高めの人」といっても高血圧の人を指すわけではありませんし、「血糖値が気になる方」であっても糖尿病患者を指すわけではありません。しかし、そのような事情を患者さんが知る由もありません。高血圧の患者さんでも「血圧が高めの人」と言えるかもしれませんし、糖尿病の患者さんはもちろん「血糖を気にして」います。実際、一部の高血圧や糖尿病の患者さんもこれらのトクホを利用しています。

先日、血糖降下剤を服用しているある糖尿病の患者さんがグァバ茶を飲みすぎた後、下痢をしました。しかもその時食事を少なめにしてしまったため、軽い低血糖症状を起こしました。グァバ茶は糖の吸収を遅延させ、食後の血糖を押さえる作用があります。いわば、糖尿病に利用される医薬品のひとつαグルコシダーゼ阻害薬と同じような作用を持っているのです。(ただし、その作用ははるかに弱いとされていますが。)もしかすると、その患者さんが低血糖気味になったことに、グァバ茶も関係していたかもしれません。

一方、血圧が高めの方に利用されるトクホはACE阻害作用を介して血圧を低下させます。そのため、高血圧の患者さんがこのトクホを利用する場合、医薬品であるACE阻害薬との相互作用を考慮しなければなりません。両者の吸収過程での拮抗作用、降圧効果に対する相加作用あるいは減弱作用、副作用への影響、いろいろな可能性が考えられます。

トクホの申請のためには、その臨床効果、安全性が証明されることが必須です。しかし、病気でない人が摂取することを建前としているためか、医薬品との相互作用についてのデータ収集はされていません。一部の商品では、患者さんが利用する際には医師に相談するようにとの注意書きがあるものもありますが、そのような記載が全くないものもあるのです。

国がお墨付きを与えているから、とばかりにトクホの効果、安全性を過信するのは危険です。トクホに短期的に血圧を下げるとか、食後の血糖を下げるとかのデータはあっても、長期的な効果、すなわち高血圧に伴う合併症の予防や糖尿病発症予防などのデータはないのです。トクホを頼るばかりに、医療機関への受診が遅れるようなことがあってはなりません。





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