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水のクラスターが小さいと吸収率がよくなる?

怪しい健康情報の見抜き方

機能水

水のクラスターが小さいと吸収率がよくなるとは・・・!?

ある人から新谷弘実著「胃腸は語る」を薦められました。この本を読んだ彼は、高価なアルカリイオン水生成器の購入を考えているといいます。
新谷弘実氏は内視鏡的ポリープ切除術を開発した著名な内視鏡医です。彼は、胃や腸には胃相、腸相というものがあり、これを改善するためには食事を始めとした生活習慣を変えなければならないと述べています。そのための基本的な食事法として、精製していない穀類、旬の野菜、果物を中心に摂取する一方、動物性蛋白・脂肪、特に肉類、乳製品の制限が必要だというのです。なるほど、このような食生活ができれば健康によいかもしれません。

しかし、この本の内容、特に水に関連する記載で少々気になることがありました。彼は水を積極的に飲むことを勧めていますが、水道水には汚染などの問題が多いのだそうです。クラスター(水の分子集団のことを言うらしい)の小さいアルカリイオン水を推奨しているように思えます。その理由の一つとして彼は「クラスターの小さい水は消化管からの吸収がよい。」ことをあげています(同書200頁)。はたしてクラスターなるものは存在するのでしょうか?たとえ存在するとしても、クラスターが小さいと消化管からの吸収率がよくなることを科学的に証明することができるのでしょうか?

昨年暮れに天羽さんの「水商売ウォッチング」というサイトの存在を知りました。彼女は物理学者です。彼女は、巷のいろいろな浄水器、磁気水、アルカリイオン水生成器の広告内容を調べ、サイトの中でそれが科学的にかなっているかを解説しています。その冷静な目はいかにも科学者らしい。このサイトに「水のクラスター-伝搬する誤解」という解説があります。彼女はここで、クラスターと呼ばれているものの実態を暴いています。巷で呼ばれているクラスターなるものを正確に測定するすべは今のところないといいます。彼女の解説から考えると、今の技術では前述の新谷氏の主張を裏付ける実験は不可能なはずです。

ただし、アルカリイオン水が体によいかどうかはまた別の話です。巷のアルカリイオン水の宣伝をみますと、いかにも健康に良さそうです。本当にアルカリイオン水には健康に対し何らかのよい影響はあるものなのでしょうか?

天羽さんは興味あるサイトを教えてくださった。そこには機能水の健康に対する影響を調べた研究成果が掲載されていました。この研究では、アルカリイオン水を1日あたり500 ml以上飲用し、腹部愁訴(ガスの異常排出、腹鳴、下痢、便秘など)の改善度を浄化水と比較しています。1ヶ月あまりの飲用にて、79%の人に腹部愁訴の改善が見られたといいます。私の興味を引いたのはそのアルカリイオン水の効果ではなく、対照群の症状改善率である。浄化水を飲むだけでも、65%もの人の腹部愁訴が改善したというのです。この研究で浄化水を飲まない群を設定していないことが惜しまれます。

私の住む地域の水道水はおいしいと言われます。私の場合、高価なアルカリイオン水生成器などを買わなくても、まずは水道水を上手に利用できれば体によい影響があるかもしれません。





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