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恐るべし赤ワイン!?

怪しい健康情報の見抜き方

フレンチパラドックスと赤ワイン

恐るべし赤ワイン!?

フレンチパラドックスを簡単にいえば、「フランス人は、アメリカ人やイギリス人と同じ様なものを食べて同じようにタバコを吸っているのに、虚血性心疾患の死亡率が低い。」ということ。そこで登場したのが、近藤氏の論文、「赤ワインを飲むと血液中の抗酸化能力が高まる。」というものです。彼の論文が朝日新聞で取り上げられ、赤ワインブームがおこったといわれています。赤ワインに含まれるポリフェノールは抗酸化作用を有し、このため動脈硬化を防ぐことができる、というのが筋書きです。

フランス人は他の欧米諸国の人たちと比べて、赤ワインを飲む量が格段に多い、これがフレンチパラドックスの原因であると考えられました。
しかし、この説は必ずしも定説ではなさそうです。1965年-1970年頃はフランス人の動物性脂肪摂取率は現在より低く、血液中のコレステロール値も低かった。このため、現在の虚血性心疾患死亡率が低いのだという説もあります。その他、アルコールや食事の違い、胎児期の栄養の問題、多彩な人種、気候の違いなどが指摘されています。どうも「フレンチパラドックス=赤ワイン」といった単純なものではなく、いろいろな因子が絡んでいるようです。

ただし、フレンチパラドックスだけが赤ワイン効果の疫学的根拠ではありません。すでにいくつかの疫学的研究がありますが、このコラムを書いている最中にワインの効果を裏付ける新たな研究結果が発表されました。36,250人の中年フランス人を12~18年観察し、ワインとビールとでは死亡率が異なるかどうかについて調べています。この手の研究では大規模なものです。その結果、ワインもビールも虚血性心疾患による死亡率を低下させます、アルコールに換算した場合、ワインの方が少量で抑制効果がみられたのです。しかも、ワインなら1日あたり250~350ml飲むことでガンによる死亡率も低下しました。やはりワインは他のアルコールとは違うようです。
と、ここまでこのコラムを読んで、さっそくワインを飲もうと思っている方に一言付け加えておきましょう。

フランスでは虚血性心疾患による死亡率は実際低いものの、アルコールに関連した死亡率(アルコールに関連したガン、アルコール依存症、肝臓疾患などによる)は、英国にくらべてなんと2~3倍も高いのです。その結果、両国での全死亡率にほとんど差がなくなってしまいます。
飲み過ぎてしまえば、かえって健康に悪いのは他のお酒と同じこと。「健康のために飲む」よりも「健康のために飲み過ぎない」と考えた方がよいのではないでしょうか。そうでなくても、日本での虚血性心疾患の死亡率はフランスより低率なのですから。

ただし、この研究に参加したボランティアの大部分は治療群、対照群を問わず、再度この治療を受けたいと回答しているようです。私たち医療関係者はこの事実を無視することはできないようです。





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