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レッスン9:赤ちゃんのための食育講座(2)~粉ミルクについて~
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粉ミルクはどんな時に利用する?
母乳の代わりになる人工栄養として育児用調製粉乳、つまり粉ミルクが市販されています。これはいったいどんな時に利用されるのか、大きく2つのパターンが考えられます。
【母親が働いているなど何らかの理由で母乳が飲ませられない場合】
どうしても母親が赤ちゃんのそばにいられない状況がある時は粉ミルクを利用します。
ただ、働いている時間帯は粉ミルクを飲ませますが、母乳を飲ませられる時にはなるべく母乳を飲ませるようにします。母乳を与える回数が少なくなると、母乳が出にくくなるからです。また、まずは母乳による授乳を成立させるため、少なくとも生後3週間か4週間は利用するのを避けたほうが良いでしょう。
【健康上に問題がある場合】
以下に挙げる5つの項目に該当する場合は、母乳による授乳が勧められない、あるいは困難となるような健康上の理由から、粉ミルクを利用することになります。どれもまれなケースです。
- 母親が十分な母乳の供給ができない体質の場合
- 母親が感染症を持っている場合
- 乳児が母乳を受け付けない代謝性疾患のある場合(母乳に含まれる特定の成分を消化することができない)
- 母親が服用している薬が母乳に含まれることによって、乳児に影響を及ぼす危険がある場合(例えばマリファナ・ヘロインなどの薬物)
- 授乳を嫌がる赤ちゃんの場合(未熟児や口唇機能に問題のある赤ちゃん)
上記項目に該当する場合は、お医者さんや授乳の専門家に相談しましょう。現代では授乳を支援するためのアドバイザーやコンサルタントが普及しつつあります。授乳で何か困ったことがあったら病院や母乳・授乳アドバイザーを頼ってみましょう。適切な支援があれば、母乳による授乳に失敗することはめったにないと言われています。
訳者注:小児科医でもなかなか授乳についてしっかりした教育を受けている医師は少ないのが現実です。困ったときは遠慮せずに他の専門家の意見も聞いてみましょう。「日本ラクテーション・コンサルタント協会:http://www.jalc-net.jp/」を紹介しておきます。
人工栄養・混合栄養の長所と短所
人工栄養とは様々な理由で赤ちゃんに母乳を与えることができない時に粉ミルクで行う栄養補給法のことを言います。また、母乳と粉ミルクを併用する方法を混合栄養と言います。どちらも粉ミルクを利用するわけですが、私たちはこの場合のメリット・デメリット をきちんと知っておく必要があります。それを知った上で、いつ、どのような頻度で、どんな粉ミルクを与えるのか検討しましょう。
- ●母乳だけでは不足しがちな栄養素を無理なく補える
- ●母親の健康上の問題に左右されない
- ●哺乳瓶の乳首の穴が大きすぎると、吸い付き不足であごの発達不良の原因になったり、飲む量が多すぎて肥満につながるなどの可能性がある
- ●哺乳瓶の方が母親の乳首より吸いやすくて母乳を嫌がるようになったり、逆に哺乳瓶の乳首のゴムくささや触感を嫌がり、粉ミルクが嫌いになったりする可能性がある
- ●母乳を与える機会が減り、母乳が出にくくなる
- ●母乳に比べ免疫物質にかけるので病気にかかりやすくなる可能性がある
【粉ミルクの長所】
【粉ミルクの短所】
粉ミルクの種類を比較してみよう
乳児用調製粉乳には様々な種類がありますので、ここでそれらの特徴を比較してみましょう。
★ミルクベースの粉ミルク
オーソドックスなレギュラータイプの乳児用調整粉乳です。牛乳を加工し、母乳にできるだけ近い成分になっています。ただ、原材料が牛乳というヒトとは異種のたんぱく質であるため、時にアレルギーを起こす場合があります。
★大豆ベースの粉ミルク
大豆たんぱくから作られたミルクです。赤ちゃんによってはミルクベースよりもこちらの種類の粉ミルクが適している場合もあります。しかし、ミルクベースでアレルギー体質が見られた赤ちゃんは、大豆たんぱくに対してもアレルギー体質である可能性があるので、そのような場合はアレルギー用のミルクを選ぶ必要があります。
★無乳糖ミルク
赤ちゃんが牛乳に含まれる乳糖に対して耐性を持たない時に利用する調整粉乳です。また、下痢感染症を持つ赤ちゃんは乳糖を消化する能力が弱いのでこの種類のミルクがおすすめです。
★アレルギー用ミルク
この種類の調製粉乳に含まれるたんぱく質は細かく分解されています。このため、先に説明した種類のミルクと比較してアレルギー反応が出にくくなっています。もし赤ちゃんが何らかのアレルギー体質を示した時は、このタイプのミルクを選ぶと良いでしょう。ただ、普通のミルクに慣れた赤ちゃんは、味の違いからこの種のミルクを受け付けないという問題にぶつかる可能性もあります。困ったときはかかり付けの医者に相談しましょう。
★フォローアップミルク
この種類のミルクは大体9ヶ月以上の赤ちゃんを対象に市販されています。子どもが大きくなるにつれて母乳だけでは不足し始める鉄分などを中心に、子どもの成長に大切な栄養素をバランスよく配合しています。
【訳者注】
訳者はフォローアップミルクに関して、積極的に支持するだけの医学的知見は得られないと考えております。
調乳してみよう!
粉ミルクを乳児が飲めるように調整することを調乳といいます。どのように調乳するのか、一般的な方法をご紹介します。
【調乳の方法】
- 手・指を洗い、消毒する
- 哺乳瓶・ゴム乳首・軽量スプーンなど、必要な器具を煮沸消毒で殺菌する
- 殺菌した哺乳瓶に、50度の湯冷ましを出来上がり量の約2分の1量入れ、粉ミルクを加えて溶かす
- 完全に溶けたら出来上がり量まで50度の湯冷ましを注ぎ、更に溶かす
- 人肌に冷ましてから授乳する
授乳の間隔は母乳と同じ自律授乳ですので、前回の「レッスン8」を参考にして下さい。また、粉ミルクの濃度は必ず規定の濃度で調整しましょう。薄めすぎると赤ちゃんの栄養状態の低下を招きかねません。
水・果汁・固形物の必要性は?
乳児期には医療的問題のない限り水を与える必要はありません。同様に、果汁も離乳食が始まる以前の赤ちゃんにはまったく不要です。また、一昔前までだと月齢2ヶ月頃から固形物を与えて赤ちゃんを育てていましたが、最近の研究によると、こうした早期に固形物を与えることはアレルギー発症のきっかけとなる場合があることが分かってきました。発達上、4ヶ月未満の赤ちゃんは固形物を摂取する用意ができていませんので、医者からの特別な指示がない限り与えないようにしましょう。
本日のおさらい
- その1:メリット・デメリットを知った上で上手に粉ミルクを利用しよう!
- その2:赤ちゃんの体質に合わせた粉ミルク選びをしよう!
- その3:粉ミルクの調乳は、衛生面に気をつけて手順を守って行おう!
- その4:授乳中心の期間に、水・果汁・固形物を与える必要はない!
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